他人の子を育てるという人生

アゴラ編集部

テレビのワイドショーやネット上では、男性タレントと女優との間にできた息子の父親がいったい誰か、ということで盛り上がっております。そんな1月14日、最高裁判決が出て「血縁のない子をいったん認知しても無効にできる」ようになるらしい。この「認知」という言葉、一般的な民法の解釈では、非嫡出子について父か母が「親子であると認める」ことなんだそうです。


有性生殖においては、オスとメスがいないと子はできません。ただ、母親は容易にわかるのにくらべ、父親というのは最後までわからない。母親自身にもわからない場合もあります。遺伝子解析が進化し、遺伝的な父親がわかるようになり、実際に血縁関係がないのにも関わらず、父親として子を育てているという「現実」が明るみに出るようになってしまいました。

ヒトのメス、つまり女性は、生理の周期が不安定で自分でもはっきりわからないことが多い理由にはいろいろ意見があるんだが、一説によれば子の父親をわからなくさせるため、という話があります。ヒトの女性は、子育てをオス、つまり男性に手伝わせるために父親としてふさわしい相手を探すんだそうです。

その際、子の父親がはっきりわかると、ターゲットの男性に拒絶されることがある。ヒトの女性は、いつ授精したのか、本人も相手もわからなくさせるために生理の周期や排卵日を不安定にし、その兆候が外見に出ないよう進化した、というわけです。逆に言えば、それだけヒトのメスは「浮気」をする、ということであり、子育てをしてもらうオスと遺伝子をもらい受けたいオスを峻別している、ということでもあります。

そうしたヒトのメスの「性戦略」が、遺伝子解析という科学の進歩によりムダになりつつあるんでしょう。しかし、世の中には知らないほうがいいこともたくさんあります。ソクラテスは「無知の知」を唱えたんだが、知らない、ということは何も恥ずかしいことじゃありません。なんでもかんでも明るみに出ちゃったらつまらない。知らないまま他人の子を育てる、という人生の選択があったっていい。思わず我が身を振り返り、知らないのに知ったかぶりをするほうが、よっぽど恥ずかしい。胸に刻んで生きていきます。

弁護士吉成安友のブログ
認知者自身による認知の無効の主張の可否の最高裁判決と司法試験のイメージ


Social experience drives empathetic, pro-social behavior in rats
PHYS.ORG
実験動物のラットでも「人助け」をする、ということに今さらながら驚かされます。これはシカゴ大学の研究を紹介している記事なんだが、ラットは閉じ込められた他者のラットを助ける。そうした利他的行動はいったいどこからくるのか、「共感」の遺伝子のようなものがあるんでしょうか。実験では社会的な体験の有無が、他者を助ける動機になっている、ということがわかったようです。見知らぬ相手より一緒に過ごした時間の長い他者のほうを「人助け」するらしいんだが、過去に他者を助けた経験があるラットは、見知らぬ相手も助けるようになるんだそうです。人間でもそうしない連中も多いのに。ひょっとして我々って退化してるんじゃないか。

市ヶ谷駅の乗り換えが難解すぎる!
トゥキャッチ
総武線や地下鉄の市ヶ谷駅ってのは、外堀に邪魔をされて構造が複雑になってます。あの駅は昔からそうだった。飯田橋駅も同じ。末端にしか改札がありません。あと、自動改札機ってのは、流れを途絶えさせるのを躊躇するようにできてます。つっかえると、後ろの人が露骨に嫌な顔をしたり舌打ちをしたりする。アレはけっこうなプレッシャーだ。自動改札機にこの記事に紹介されているような案内ステッカーがベタベタ貼ってあったら、ちょっと困ります。都内の鉄道交通網はこれからどんどん複雑化するはず。東京五輪を前に、何か別の対処を考える時期にきているのかもしれません。

楽しすぎる似顔絵アプリ『モーメント キャム』! アプリの中なら、どんなカッコしたってOKでしょ?
TABROID
なかなか優れもののアプリのようです。微調整が自分好みにできるのがいい。しかし、本人に似てるのかどうか、このサンプルではちょっとわかりません。筆者は「横山かおり」さんなんだが、この方、元モデルさんなんですかね。女性は自分のリアル顔写真、あまりSNSなんかに出したくないんだろう。怖いもん。

吹雪による視界不良情報の配信サービスの試験運用を開始 ~インターナビの安全・安心に関するサービスを強化~
HONDA
地吹雪に巻き込まれ、北海道で父親と娘が亡くなった事故は記憶に新しいんだが、当コーナーでも昨年に取り上げたことがあります。猛烈な吹雪に遭遇すると人間は「ホワイトアウト」という状態に陥り、方向感覚などを一気に失ってパニックになったりする。車での移動中では特に注意です。このリリースでは、自動車メーカーが、猛吹雪の危険を知らせてくれるナビシステムを開発した、と書いている。豪雪地帯で車中に閉じ込められるのは恐怖です。一酸化炭素中毒の危険性もあるんだが、燃料がある間はみだりに外へ出ないほうがいいようです。


アゴラ編集部:石田 雅彦