携帯電話やスマホなどを未成年者でも持てるようになったのは、ここ十年くらいでしょうか。こうしたコミュニケーションツールが、いわゆる「出会い系」に使われるのは流れとして当然でした。かつて一世を風靡していたのが、今でも絶滅危惧種のように街中にちらほらあるテレホンクラブ(テレクラ)。それが携帯端末に変化し、いわゆる「出会い系サイト」が百花繚乱状態になった、というわけです。
しかし、未成年者の援助交際(援交)が社会問題化し、各自治体で未成年者の保護条例が厳罰化され、警察の取り締まりも強化されました。有楽町の目立つ場所に看板を掲げ、成田空港のリムジンバスにまでデカデカと広告を貼っていた人気サイト「スタービーチ」(スタビ)もいわゆる「出会い系サイト規制法」の強化により廃業に追い込まれた。この規制法のキモは、サイト利用者に年齢認証を行わせる、というものです。
利用者は男女ともに自分が18歳以上であることを証明をしなければなりません。この証明には、自分の免許証などを撮影し、氏名や生年月日などをスミ塗りで消してからサイトへ送ればいいんだが、こんな面倒なことをしてまで出会い系サイトを使う女性はいません。女性がいなくなれば、男性も利用しなくなる。かくして今では「健全」な出会い系業者はいなくなり、FacebookなどのSNSやLINE、モバゲーなどが「出会い系」として使われて新たな規制対象になりつつある、というわけです。
しかし、世の中の男性は、全員が世間ズレしたオトナであるわけもありません。年々、想像力だけパンパンにふくらませた未熟で世間知らずの若い男性が誕生し続けている。だいたい1年に約60万人ほどの男性が成人になっています。オッサン世代にとって「出会い系」は「出会えない系」であり、仮に実在の女性がいたとしても半分プロの売春婦なんかが通り相場で、そんなことは周知の事実以前に「常識」になっている。しかし、無知な若い男性の中には、まだまだ女性に「幻想」を抱いている人も多い。
多くの詐欺師が狙うのは、こうした世間ズレしていない不特定多数の無知な人々です。デジタル端末が進化し、不特定多数と簡単に連絡が取れるようになっている。詐欺の「常道」は、不特定多数からいかに効率的に「ダマされやすい人間」を探し出すか、にあります。中には、むしろ「ダマされたがっている」ようにしか思えないスキだらけの被害者もいる。振り込め詐欺も同じ。犯人はなるべく数多くの老人に電話し、引っかかりやすい被害者を探すことに、そのほとんどの手間暇をかけています。
出会い系サイトも、引っかかりやすい男性を探すために、あちこちに網の目を張り巡らせています。何の気なしにちょっとアクセスしただけで、迷惑メールがヤマのように来る。メールのやり取りなので、相手の性別はわかりません。バイトのオッサンが女性の振りをして文字を打ち込んでいても、ダマされたがりの被害者はそれにマンマと引っかかる。まだ女性に幻想を抱いている若い未熟な男性は、まさか自分がダマされているとは思わないし、思いたくもありません。
いずれにせよ、出会い系サイトには「とにかくカネがかかる業者」と「最初にもらった無料ポイントでしばらく遊べる業者」の二つがあります。「カネがかかるサイト」のほとんどに「実際の女性」はいません。あなたがやり取りしているのはオッサンです。後者の業者の場合、無料ポイントは定期的に送られてくるので、気長にやっていればほぼ無期限に無料で利用できる。「リアルな女性」は案外こうした無料の業者に散見される。ようするに「カネのかかる出会い系サイトのほとんどは詐欺」というわけです。ご用心ご用心。
情報商材裏サイト
出会い系運営会社140社の実質オーナー「神田岩本町・塗料会社社長(65)」11億円の所得隠し!!!
Female Monkeys Throw Stones To Attract Males
POPULAR SCIENCE
オスの気を引くため、石を投げつけるオマキザルのメスの行動について書いている記事です。なんちゅうか、ヒトもサルも同じようなことをするんですな。オマキザルのメスは交尾期になると、生殖器が赤く腫れ上がり、性的な刺激臭を発散するらしい。これを見たり嗅いだりしたオスが興奮して交尾にいたる、というわけなんだが、倦怠期の夫婦のごとく、その気にならないオスもいます。「あたし、こんなんなってるのに」と業を煮やしたブラジルのオマキザルのメスは、オスに向かって石を投げつける。動画を見るとわかるんだが、石を投げる、といっても痛くないように放る感じ。ナニやら身につまされる方も多いんじゃないかと思います。しかし、オスは無心にエサを食べ続けるのであった。
Nobel Prize Winning Economist: Legalize Sale of Human Organs
Slashdot
さすがは「シカゴ学派」といった意見表明なんだが、臓器売買を合法化せよ、という内容です。1992年にノーベル経済学賞を受賞したゲーリー・ベッカー(Gary Stanley Becker)教授らがウォールストリートジャーナルに寄稿し、臓器売買の市場を開設したらどうか、と書いている。そうなれば、これまで臓器提供を受けられずに亡くなった多くの患者を救うことができるだろう、という話。世界的に移植臓器は不足しています。患者のほうがずっと多く、貧困層の臓器をカネ持ち同士で取り合っているような状況。市場化されれば、こうした状況が緩和される、というわけ。その先にどんな光景が待っているか、今の医療制度の現実をちょっと眺めればすぐにわかります。
コーエン兄弟の最新作が今夏公開決定。キャリー・マリガン、ジャスティン・ティンバーレイク等出演
Qetic
ジョエル・コーエンとイーサン・コーエンの兄弟は、二人共同の監督として映画を撮り続けています。米国の映画界にはありがちなユダヤ系。不思議な世界観の映画『ファーゴ』は、どこか不条理劇を思わせるシュールな映像が魅力的でした。米国の荒涼とした雰囲気がよく描かれていた。個人的にはやはり映画『ノーカントリー』が好き。映画『007スカイフォール』にも出てたペネロペ・クルスの旦那ハビエル・バルデムが良かった。米国系ユダヤ人の生活がわかる映画『シリアスマン』も秀作。しかし、ユダヤジョークって日本人にはよくわからないものが多いんだろうなあ。あと、ジョン・ウェイン主演映画『勇気ある追跡』(True Grit、1969)のリメイク『トゥルー・グリット』もいい。その後、マティ・ロス役のヘイリー・スタインフェルド(Hailee Steinfeld)の活躍が聞こえてこないんだが、何をしてるんでしょうか。1996年生まれだからまだ勉強かな。この記事では兄弟の新作映画『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』(Inside Llewyn Davis)の日本公開が決まった、と書いています。2013年のカンヌ映画祭グランプリ作品。今年の全米映画批評家協会賞では4部門(作品・監督・主演男優・撮影賞)を受賞。アカデミー賞にもノミネートされています。
Watch These People Swap Genders Using Virtual Reality
KOTAKU
なにやら、これはスゴい体験のようです。バーチャルリアリティ技術を使い、男女の性別を入れ替える、というもの。性別を超えて心と体が入れ替わる、といえば、大林宣彦監督の映画にもなった山中恒の『おれがあいつであいつがおれで』が有名です。この山中さん、1931(昭和6)年生まれ。戦中派として『ボクラ少国民』シリーズなどでもよく知られる児童「よみもの作家」です。なんか作風が違うような感じもするんだが、これはこれで名作。しかし、自分が異性になったら、ちょっとおかしくちょっと悲しい。ユーモアとペーソスが一気に自分の身に降りかかってくるでしょうな。
アゴラ編集部:石田 雅彦