最近ツイッターで、ビットコインは投票につかえるのではないか?という指摘を3回もうけた。
すごく感が鋭いと思う。この件は、一ヶ月ほど前に私がすでにブログにかいているが、もうすこしアイデアをふくらませてみよう。
前回の記事では、どうやら読み手がかってに「国政選挙」を念頭において批判をしてきたので、主にそれに対する回答。
国政選挙は本人確認や国民全員にビットコインアドレスを配るのかみたいな話になるので、議論から外したい。応用の可能性があるのは、いちばんは、株主総会なりの投票だろう。
たとえば、ビットコイン経済でうごくビットコインカンパニーの株式を想定しよう。
この会社は、資本をビットコイン建てで集める。あるアドレスに払込がなされたビットコインにより株式が発行される。
つまり、特定のビットコインを株式のようにみなすのだ。
特定のビットコインの取引の上にのっかった「ビット株式」に相当するコインを作り出すことができる。
注)実際は、ビットコインそのものではなく、ビットコインのブロックチェーンを利用して、その上に、新しいコインを作成する。そのコインを株式なりとみなす。このようにビットコインの上に新しいコインをつくるような拡張は可能で、マスターコインなどが実装に取り組んでいる
そして、このビット株式は、通常のビットコインのように送金ができ、送金してしまうと、すなわち株式の譲渡とみなす。
特定のビットコインに紐付いたコイン=ビット株式
そのコインの保有者=株主
そのコインの売買=株式の譲渡
となる。この利点は、ビットコインの利点をそのままうけつぐ。つまり、
・匿名の株主に株式を交付することができる
・そのビットコインの秘密鍵をもっているひとだけが、株式の所有者であることが確実である。
・その株式は自由に売買でき、権利の移転は即時行われ、ほふりは不要だ。
なお、株式会社ではあんく、ビットコイン建ての投資ファンドや、ビットコイン信託などでも同様の考えができる。ビット株式ではなく、ビット口みたいな表現になるだろうが。
この仕組は、株式総会と配当を容易にする。
株主総会は、前回の記事で指摘した仕組みを使えば良い。
1)株主総会の時点でのビット株式保有者に、特定の投票用のコインを作って、配布する。
2)株主は、その株式の保有割合に応じた投票用コインを手に入れる
3)そのコインを、投票用のアドレスに送金する。送金が投票とみなされる
4)集計は自動で、投票用のアドレスのコイン残高を見れば良い
これならば、会社は株式の保有者が誰であるかを特定する必要なく、単に投票コインを配ればよく、株主は匿名のまま、投票ができる。そして、その結果にたいしては、誰もが疑いなく、不正はできないのだから、そのまま公式の結果として採用できるだろう。
なお、配当は極めて簡単だ、ビットコイン建てで、所有者のアドレスに送金すればよい。これも本人と特定する必要もなく、単にビット株式アドレス宛に送金すればすべてが完了する。
ビットコインを経済的な通貨として見ているだけだと、その応用の可能性が見えない。大事なのはこの技術の仕組みやアルゴリズムを知ることだ。現在そういう本がないので、手前味噌ながらkindle版で発売したので、読んでみて欲しい。この本では、ビットコインの技術を説明したあと、こういった応用の可能性について解説している。↓
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