電気事業連合会HPによると、ドイツ政府諮問機関であるEFI(研究・イノベーション専門家委員会)が先月26日に発表した2014年の年次報告書では、EEG(再生可能エネルギー法)は電気料金を高くしたなどとして、同法継続の妥当性は見出せないと報告されたとのこと。
原文はドイツ語なので翻訳に苦労するが、同HPに書いてあるように、「EEGは再エネ発電比率の引き上げに貢献したが、再エネ発電事業者への支援額は2000年約1260億円から2013年約3兆2800億円へと激増し、電気料金の約5分の1が再エネ発電事業者への支援に使われている」、「排出量取引が行われている欧州では、ドイツ国内で再エネの電力が普及しても、その結果、排出枠に余剰が生じ、他の産業分野や周辺諸国でCO2排出量が増加してしまうため、再エネ導入によるCO2削減のメリットはない」といった趣旨の記述がある。
日本の再生エネ政策においては、固定価格買取制度(FIT)などの面でドイツを雛形にしている部分が多いとされる。FIT制度導入の際にドイツの政策的経緯を参酌したのであれば、今後のFIT制度改革の際にもドイツの政策動向が参酌されるのは当然のこととなろう。
先のブログ記事などで紹介したように、ドイツでは再生エネの普及によって巨額の国民負担が発生している。日本は、これを他山の石として教訓としていく必要がある。
編集部より:この記事は石川和男氏のブログ「霞が関政策総研ブログ by 石川和男」2014年3月19日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった石川氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は霞が関政策総研ブログ by 石川和男をご覧ください。