インターネッ党が果たすべきイノベーションとは --- うさみ のりや

アゴラ

最近のインターネッ党の活動

今回は都政ではなく、インターネッ党の活動についてのお話をしたいと思います。多分外から見ると都知事選以来、インターネッ党の動きは停滞しているように見えると思うのですが、そんなことは無く少しずつですが草の根の活動が始まっています。


例えば都知事選で「ぼくらの政策」として掲げた120の政策を実現する一つの形として、家入さんが「お年寄りと繋がるプロジェクト」というプロジェクトを立ち上げています。ここではNPO Brain Farmという団体が展開する「スマホの学校」という活動と連携して、若者が高齢者にスマホの使い方を教えるような取り組みを進めています。詳細はまた別の機会にご報告しますが、こうした活動は「民間ベースでドンドン政策を実現していく」というインターネッ党なりのあたらしい政治活動の在り方だと思います。

(参考:http://ameblo.jp/satwaterone/entry-11821378613.html

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一方で政治団体らしい活動も少しずつ立ち上がりつつあります。具体的なことはまだ言えませんが、現在インターネッ党として都内のいくつかの選挙に他党と連携して参加する準備を進めています。私も企画に参加しているのですが、そういう中で「政治の世界でのインターネッ党の存在意義は何か」ということについて考えさせられることがあります。お金もなく、組織的なバックも無く、現段階では議員もいなく、あるのは「家入さんの都知事選体験」という経験価値のみです。そんなわけでインターネッ党の存在意義について考えると、必然的に「家入さんの都知事選が政治の世界でもたらしたことは何か」という問いにたどり着きます。

家入一真の都知事選がもたらしたもの

家入さんの都知事選は結果だけ見れば10万票に満たず、泡沫筆頭にまで躍り出たものの、完敗と言えば完敗だったわけです。それをもって家入さんの選挙を「ネットの限界」「世代論の限界」という風に捉える識者の方は非常に多いように感じています。それは一面真実であり集票という観点から見れば極めて正しい指摘だと感じています。

ただそういう中でも新しい取り組みとして成功したことがあります。それは家入さんが「選挙戦を市場化した」ということです。家入さんは”都知事選”という体験を商品としてオープンな形でクラウドファンディングで売り出し、そして800万円近くの金額と数千人の”純粋な”ボランティアを集めて、政策を作り上げ、選挙戦を戦い抜きました。こうした取り組みはほとんど前例がなく、みんなの党のおときた駿議員が都議選で自らが10年間近く続けていたブログをベースに400万円弱の資金と数十人のボランティアを集めたことが前例として上げられるくらいでしょう。

これまで「選挙はコスト」というのが政治の世界の常識でしたので、この2人が取り組んだことは今後の選挙というものを考える上で重要な意味を持つことのように思えます。ただおときた氏の取り組みがかなり属人的なものだったのに対して、家入さんの都知事選はITサービスを利用して、おときた氏よりもかなり体系化された形行われました。これは必ずしも家入さんが事前に意識したことではありませんが、こうした取り組みを広げていく上で一つのブレイクスルーとなるように思えます。

そんなわけであくまで個人の意見ですが、「選挙はコストではなく、候補者を中心に政策を作り上げ、お祭りを起こし、票を獲得する、という参加型商品である」ということをITサービスとしてパッケージ化して再現性のある形で広めていく、ということにインターネッ党の存在意義があるのではないかと個人的に感じています。

仮にこれが成功すればこれまでの「お金がかかる選挙」という常識は完全に覆り、選挙というものが政党という枠を超えて広く一般人に解放されるように思えます。そしてインターネッ党は非営利団体としてそれをプロデュースしていく。そんな形ができれば、「政策」というレベルではなく、「政治」そのものの在り方自体を変える根本的なイノベーションになるのではないでしょうか。そんなことを考えております。

ではでは今回はこの辺で。

(文責:うさみのりや)


編集部より:このブログは「うさみのりやのブログ」2014年4月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はうさみのりやのブログをご覧ください。