仕事をしていると、意思決定に悩む機会が数多くあります。そんな時に私は「動機善なりや?」と自分に問いかけるようにしています。これは、京セラの創業者でJALを再生したことでも知られる稲盛和夫氏から学んだ方法です。
稲盛氏は、第2電電を創業する時、半年間悩んだと言います。その時の「大義」は、安価な電話料金を実現すること。最終的に自分のやろうとしていることに1点の私心もないことを確認してから創業したのです。そして10年、20年先までの会社のビジョンを明確に示し、それがチームメンバーのベクトルを1つの方向に合わせることつながり、大きな成功を収めたのです。
私の場合、そこまでピュアで高尚ではありませんが、自分のことや自分の会社のことよりも、まず世の中に求められているのか、取引先にとってメリットがあるかを判断のポイントにするようにしています。
例えば、新しいサービスを始めようとしたら、それはお客様に喜んでもらえるかをまず考える。株式会社ですから利益も考えますが、まずはお客様と取引先のメリットです。自分の儲けのことばかり考えていると、世の中の役に立たないサービスを提供してしまう。そうすると、結局ビジネスとして成功しないのです。
最初に来るのは、自分でもなく、自社でもなく、従業員でもなく、お客様!企業が存在する理由には、お客様、株主、従業員、社会など色々なステークホルダーとの関係があると思いますが、一番はお客様ではないかと思います。
このような価値判断の軸があると意思決定は随分楽になります。自分がお客様だったら、そんなサービスが欲しいか? 家族がお客様だとしても自信をもって薦められるか? そんな視点で「やるかやらないか」を判断していけば良いからです。
資産デザイン研究所のミッションは、「「マネー・リテラシー」(お金の知識)で日本人の将来の不安を解決する」ことです。お金の知識が無いことで、多くの人がお金の不安を抱えながら生活している。そんな状態から脱出する方法を伝えることで、付加価値を提供し、世の中の役に立ちたい。セミナーもスタディ・ツアーもパーソナル・コンサルティングも、すべてこの価値観の上に立って展開しています。
7月に実施予定のスタディ・ツアー、セミナーだけでも、こちらに掲載しているようにバリエーションに富んでいますが、すべてこのミッションに沿ったものです。
金融商品、国内不動産、海外不動産といった特定の投資対象に偏るのではなく、ワイン投資や仮想通貨まで、個人投資家が投資可能な資産を俯瞰(ふかん)し、組み合わせることで、リスクをコントロールした投資の実現をお手伝いする。これこそが、当社にしかできないお客様に喜んでもらえる強みだと思っています。
(写真はお客様への最高のホスピタリティを提供するバンコクのマンダリンオリエンタルホテルのロビー)
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年7月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。