米連邦準備制度理事会(FRB)が公表するLabor Market Conditions Index(LMCI)、労働市場情勢指数に含まれる米9月NFIB中小企業楽観度指数は95.3となり、市場予想の95.8より弱い結果となった。2007年9月以来で最高を遂げた7月の96.7、および前月の96.1も下回り、3ヵ月ぶりに低下。発表元である全米独立企業盟(NFIB)のウィリアム・ダンケルベルグ主席エコノミストは、結果を受け「国内総生産(GDP)に関連する求人計画、採用計画、在庫、設備投資の4項目はすべて前月から約1ポイント低下した」と指摘。中小企業オーナーのセンチメントは成長を促進するほど楽観的に振り切れていないとの考えを示唆した。
楽観度指数、2007年以来の高水準近くとはいえヒストリカルでみるとまだ低い。
(出所:NFIB)
内訳をみると、11項目中プラス圏にのせた項目は7項目。ただし、このうち「設備投資を拡大する」をはじめ、「雇用を増加させる」など4項目が8月の水準を下回った。一方で「黒字トレンドにある」、「信用状況が緩和する」などマイナス圏の3項目のうち2項目が前月以下に終わり、全体的に楽観度が後退した。以下は、項目ごとの変化。
「設備投資を拡大する」22%→前月の27%から低下、6ヵ月平均は24%
「求人件数」21%→ 前月の26%から低下、6ヵ月平均は24%
「事業拡大に良いタイミング」13%→ 前月の9%から上昇、6ヵ月平均は10%
「雇用を増加させる」9%→ 前月の10%から低下、6ヵ月平均は10%
「売上が拡大する」5%→ 前月の6%から低下、6ヵ月平均は10%
「販売価格の上昇」4%→前月の6%から低下、6ヵ月平均は10%
「在庫を増加させる」2%→ 前月の3%から上昇、6ヵ月平均は1%
「在庫満足度」0%→ 前月の-2%から低下、6ヵ月平均は-2%
「経済がより良くなる」‐2%→ 前月の-3%から改善、6ヵ月平均は-5%
「信用状況が緩和する」‐7%→ 前月の-5%から悪化、6ヵ月平均は-6%
「黒字トレンドにある」‐19%→ 前月の‐17%から悪化、6ヵ月平均は-18%
──さて、労働市場情勢指数に含まれる「NFIBの求人指数」つまり求人件数は21%と、前月から5%ポイントも低下していました。労働市場は堅調であるものの、伸び悩みを示しつつあるようです。
(カバー写真:Business journalism)
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年10月14日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。