米11月中古住宅販売成約件数指数は堅調、NARは2015年の好転を予想 --- 安田 佐和子

アゴラ

日本のみなさま、あけましておめでとうございます。今年もどうぞ何卒宜しくお願い申し上げます。

米11月中古住宅販売成約件数指数は前月比0.8%上昇の104.8となり、市場予想の0.5%を上回った。前月の1.2%の低下(1.1%から下方修正)を超え、プラス圏を回復している。前年比では4.1%と、3ヵ月連続で上昇。2013年8月以来の伸びを達成した。4大地域別では、3地域が上昇。北東部が1.4%とけん引したほか南部も1.3%と堅調だった。西部も0.4%の上昇に。中西部のみ0.4%と、低下を示した。

発表元である全米リアルター協会(NAR)のローレンス・ユン主席エコノミストは、結果に対し「下半期にみられた継続的な経済成長と安定的な雇用が、住宅購入を検討する買い手に安心感を与えた」と評価。賃貸率が7年ぶり高水準を遂げるなか「歴史的な低金利と住宅価格の伸び鈍化によって、向こう数カ月は新規購入者が市場に参入しやすくなる」と楽観的に結んだ。

11月の30年物住宅ローン固定金利は低水準を維持したものの、住宅ローン申請件数のうち新規購入分は反応しておらず、10月と比べ低下していた。NARは、2014年の中古住宅販売件数につき前年比3.0%減の494万件を予想している。2015年は530万件とし、好転する見通しだ。

NARは、2014年の中古住宅価格につき前年比5.6%上昇の20万8000ドル(約2500万円)と試算している。2013年の11.4%から、大幅な鈍化を見込んでいる。2015年の中古住宅価格伸び率は、4-5%の上昇を予想した。

——中古住宅販売件数の先行指標は、小じっかりでした。米11月中古住宅販売件数は春以降の増加を打ち消すほど弱含んだものの、少なくとも数ヵ月先は11月ほどの減少を回避する公算が大きくなっています。バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、結果を受け「10-12月期住宅投資は前期比年率4.5%増、2015年1-3月期は6.0%増」とし、7-9月期の3.2%増を上回るペースを予想。NARと同じく、年明けに回復歩調を強めるシナリオを描いておりました。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2015年1月1日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。