ワインバーで原価率が一番高いのは「ロマネコンティ」 --- 内藤 忍

アゴラ

内藤忍

Shinoby`s Bar 銀座」の開店準備で、面白いと思ったのは商品の原価率を計算することでした。お店の経営では当たり前なのかもしれませんが、お客としてしかお店と関わったことの無い私にとっては新鮮でした。


例えば、オレンジとリコッタチーズのカプレーゼというメニュを考えると、オレンジ、リコッタチーズ、オリーブオイル、塩といった材料のコストを円単位で計算します。その積み上げで1皿あたりの原価を出して、売り値と比較することで原価率を計算するのです。すべてのメニュの材料を書き出し、細かく原価計算していくのは結構大変な作業です。

ドリンクも同じです。グラスワインなら、シャンパーニュなら1杯100㏄というように量を決めて、仕入れ価格とのバランスを考えながら販売価格を決めていきます。

価格決定をやっていくうちに気が付いたことは、ワインの場合、高いワインほど原価率が高く、お客様から見れば「バリュー」だということです。

Shinoby`s Bar 銀座では、ボトルの赤ワインは4500円のベリーズハウスレッドから、200万円のロマネコンティ(1週間前予約)まで揃えていますが、原価率が一番高いのはロマネコンティです。信用できるルートから品質管理の行き届いた商品を仕入れると現状では、190万円近くしますから原価率は95%ということになります。

ロマネコンティは極端としても、在庫として持っている5大シャトーのワインも価格は高いですが、仕入れ値と販売価格の比率からみれば、お得です。

料理も同じ傾向があります。フードメニュで販売価格が一番高いのは2800円の「和牛のステーキ~奇跡の醤、アンデス岩塩、有東木極上本わさび添え」ですが、この商品の原価率が一番高くなっています。

価格の高いものは、原価率を高くして利益率が低くなっても、利益額ではそれなりの金額を確保できるから、このような値付けになっていくのだと思います。

お世話になった方やサポーティングメンバーを招いてのプレオープンレセプションも無事に終わり、来週月曜日からグランドオープンします。アクセス方法の告知を資産デザイン研究所メールでしか行っていないので、果たして何人の方に来てもらえるか不安もありますが、スロースタートで着実に長く愛されるお店にしていきたいと思います。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2015年1月31日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。