アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。今回は関心を集める使用済み核燃料問題です。
またアゴラ研究所は、運営するインターネット放送言論アリーナで、2月24日の午後8時から「「トイレなきマンション」を終わらせよう–使用済み核燃料を考える」を放送します。ぜひご覧いただき、参考にしてください。
今週のアップデート
池田信夫アゴラ研究所所長の論考です。使用済み核燃料の問題ですが、技術面では地中に埋める処分方法が妥当ということは世界的に知られています。あとは政治的な合意形成のみ。その事実を指摘し、合わせて直接処分の妥当性を、海外の研究を参考に検討しています。
池田信夫アゴラ研究所所長の論考です。核燃料サイクルの採算の問題、そして2018年に改訂時期の来るプルトニウムを原子力発電以外に使わないことを決めた日米原子力協定の改正問題を取り上げています。
3)日本における核燃料再処理の終わり–日本の使用済み核燃料の管理とプルトニウムの分離に対しての代替案(要約)
「核物質をめぐる国際パネル」という研究者グループの提言。日本の遂行する核燃料サイクル政策について疑問を示し、直接処分を主張しています。
アゴラ研究所フェローで、ジャーナリストの石井孝明の分析です。日本学術会議が使用済み核燃料問題で見解を出す予定です。しかし、その議論が文系の反原発派の学者ばかり集め、技術的な検証をせず、停止中の原発の稼働条件を、最終処分のメドがつくまでという、おかしな結論を導こうとしています。修正が必要でしょう。
今週のアップデート
池田信夫氏のニューズウィーク日本版への寄稿です。2月19日公開。使用済み核燃料は資産として扱われ、再処理しないと制度的に後に引けない状況になっています。
日本経済新聞14年11月12日記事。核燃料再処理についての積立金制度を改正するとの経産省の方針が伝えられています。再処理を行う日本原燃への拠出を資産に計上する会計制度を見直しで、電力会社の負担を減らそうとしています。核燃料サイクルの見直しへの布石かもしれません。
3)日本における核燃料再処理の終わり–日本の使用済み核燃料の管理とプルトニウムの分離に対しての代替案(英語)
IPFM(International Panel on Fissile Materials:核物質をめぐる国際パネル)、2013年11月公開。各国の核燃料管理を検証する酷さプロジェクトの提言です。今回、要約のみを訳出。これは全文です。日本の再処理政策の問題を指摘しています。
WNN(ワールド・ニュークリア・ニュース)2月19日記事。台湾電力公司(同国の独占電力会社)が1200体の使用済み核燃料の処理の請負事業者を国際競争入札で実施するとのことです。再処理で生じたプルトニウム、ウラン燃料は台湾電力の所有物ですが、すぐに返されず、柔軟に対応するとのことです。安全保障上、各国からさまざまな意見が出ると見込まれ、その方針を明確にしていないのでしょう。同国は6つの原発を運用しています。しかし再処理施設を持たず、最終処分地も決まっていません。海外の再処理問題の例として。
池田信夫氏、アゴラ2月18日記事。今回紹介した日本学術会議の高レベル放射性廃棄物処理の検討委員会の今田高俊東工大名誉教授が日経ウェブ版に出した、インタビューの問題を指摘するもの。今田氏は核燃料を地下300メートルに埋設処分しても、「地下深くの微生物に放射線が作用してその微生物を取り込んだ別の生物が地上に出てくるなど、人間界に及ぶ可能性はいろいろ想定できる」と危険性をコメント。大丈夫でしょうか…。