通勤で使う駅のホームの先端にカメラを構えた人々を見る機会が増えた。昼間のバラエティ番組のレギュラーが終わったタモリは、今でもいくつか冠番組を持っている。その半分くらいは、タモリを電車などの交通機関に乗せる、という変わり映えのしない企画内容だ。余計なお世話かもしれないが、そろそろ飽きられるのではないか、と心配している。
叡山電鉄鞍馬線、貴船口駅にて。
羽田や伊丹の飛行場へ行くと、長い望遠レンズを構えたアマチュアカメラマンの集団に出くわすことがある。こうした「撮り系」オタクは以前からいたが、最近では公に「市民権」を得てもいるようだ。一方、傍若無人な行為がニュースネタになることも増えた。運行中の交通機関の運転手にフラッシュを焚いたり、禁止されているエリアなどへ立ち入ったり三脚を立てたり、撮影場所の取り合いで揉め事が起きたり、いろいろ問題が起きている。
自分の好きな撮影対象の撮影時には、マナーを守り周囲の一般上客に迷惑をかけないように注意するのは当然だ。だが、先日「撮り鉄」の少年らが「キセル乗車」を通報されたことを逆恨みし、ほかの少年らを暴行し、撮影機材などを奪い取る、という事件が起きたことに到ってはちょっと二の句が継げない。
今回の手口は、単純に入場券などで構内へ入り、特急券を買わずに新幹線に乗り、新潟駅で出ずに特急列車などを撮影し、そのまま帰ってきた、というような感じかと思われる。当然、報道などで方法が詳細に説明されるわけではないが、こうした行為は「撮り鉄」の世界では日常的に行われているらしい。というのは、この事件の容疑者らは、被害者らが通報したのは「撮り鉄」の仁義に反する、というような供述をしているからだ。
交通系のICカードが普及し、すでに「キセル乗車」という言葉も死語化している。もちろん「キセル」自体、見たことのない人も多いだろう。仲間だけに通用する一般常識とは乖離したタブーや掟を作るのは閉鎖的な集団にありがちな話だが、もちろんキセル乗車は立派な犯罪だ。犯罪行為を黙認するのが「撮り鉄」仲間だとすれば、かなりおかしくなっている世界と思われる。鉄道好きを自称する芸能人などは、こうした風潮に苦言を呈したらどうだろうか。
矢来町ぐるり
行楽シーズンに増殖する「鉄道マニア」の分類と行動研究
Japan’s 7-Eleven says to open first Dubai store in September
arabian business.com
コンビニのセブンイレブンが、2015年の夏にアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに出店する、という記事だ。2017年末までに100店舗に増やし、10年間で820店舗までにするらしい。同コンビニチェーンが中東へ出店するのは初めてだが、フランチャイズというビジネスモデルの可能性も模索する。これまで世界の16カ国に5万6000店舗を展開中だが、中東でコンビニが根付くのかどうか要注目だ。
Earth organisms survive under low-pressure Martian conditions
Science Daily
細菌よりも「原始的」な古細菌という生物がいるが、彼らは深海の火山熱が噴出する場所や強酸性の土壌になった炭鉱跡のような地球上でも過酷な環境に棲息している。古細菌とはいえ、細胞膜や細胞壁、さらにDNAを持ち、自己と外界との間を区別し、べん毛などで移動するものもいる。彼らが我々の祖先である真核生物と共通祖先を持つのかどうか、研究者の間でも議論が続いているが、この記事では、火星の環境でも地球の古細菌のようなメタン生成菌が生存できる、と書いている。嫌気性の細菌は、酸素を必要とせず、火星の地中内でも生きていけるが、この記事で紹介されている研究者は、実験室内に人工的に作りあげた火星環境下で4種類のメタン生成菌が生存できることを証明し、NASAの研究助成金を得たようだ。
What musical taste tells us about social class
EurekAlert!
あなたの音楽の趣味はどんな感じだろうか。今どきの人(!)は、Jポップやロック、AKBあたりばかりを聴いているのかもしれないが、意外な人が意外な音楽を聴いていたりしてこの世界はなかなか興味深い。逆に、まったく受け付けないジャンルの音楽、というのもある。クラシックやジャズなど聴いても楽しくない、という人も多そうだ。この記事では、カナダの社会学者が音楽の好みと社会的な階級出自との相関関係を調べてみた、と書いている。予想されるように、貧困層出身者や教育レベルの低い人たちは、ディスコ音楽(!)やイージーリスニング、ヘビメタ、ラップなどを好み、富裕層出身者や教育レベルが高い人たちは、クラシックやブルース、ジャズ、オペラ、レゲエ、ロックなどのジャンルをよく聴く傾向にあることがわかったらしい。しかし、ヒップホップとレゲエの境界というのはいったい何かよくわからない。この研究者は、出自階級の経済状態や受けた教育は、音楽の趣味嗜好には影響を及ぼさない、と言っているが、ではいったい何が強く影響しているのか考えると興味深い。
AIR FORCE WANTS CHEAP ATTACK DRONES IT CAN LOSE IN WAR
POPULAR SCIENCE
先日の当コーナーでも、高価な誘導ミサイルの代わりに古典的な砲弾が生き残っている、と紹介したが、この記事では米国空軍がなるべく安価なドローンを求めている、と書いている。ドローンという無人操縦飛行体のコストはそう高くはないが、やはり失うとそれなりの額になる。低速度で動きも緩慢なため、敵のいい標的だ。価格競争が激化すれば、間違って市民に被害を出す可能性も高くなる。それもやむを得ない、と考えるのが軍隊だ。
アゴラ編集部:石田 雅彦