心配されていたシステムのトラブルなどもなく、音声読み上げソフトを駆使した斉藤りえ区議の一般質問が、昨日無事に終了しました!
「筆談区議」電子音声で初質問、傍聴席は40年ぶり満員
http://www.hochi.co.jp/topics/20150625-OHT1T50246.html
傍聴席はなんと、40年ぶりの満席だったそうで…
(40年前の議題はなんだったのだろう?)
質問内容は障がい者支援やバリアフリー化などから子育て支援、教員の人事権から児童相談所の特別区移転まで多岐に渡りましたが、行政側から明確に前向きな答弁をもらった内容を一つご紹介。
それは北区役所の「夜間連絡方法」の改善についてです。
例えば北区役所は「手話通訳」の派遣などを熱心に行っているのですが、これは夜間などでも連絡を取って使えるケースがあります。
しかし夜間(17:15以降)の時間になると、「巡視室」をいったん経由して担当部署につないでもらわないと行けません。
そして今、この巡視室には電話しか通信手段がなかったんですね。
昼間であればFAXなどで手話通訳の部署に直接連絡できるのに、17時15分以降になると、言語聴覚障がいをお持ちの方は代理の方に電話を依頼しないと、手話通訳を頼めない仕組みになっていました。
この他にも、時間外で北区役所の担当部署に連絡を取りたい時、やはり同じように巡視室経由になるため、障がいをお持ちの方は自力で連絡を取ることが不可能だったわけです。
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この点、即時性は落ちますが、巡視室にFAXを開通すれば、障がいをお持ちの方も自力で用件を伝えられるようになります。
これは当事者を始め、支援団体の多くからも要望が出ていた点でした。
私自身も議員になって多くの障がい者当事者、支援団体の方からお話を伺う中で、こうした点の改善は健常者の我々から見ればほんの小さなことのようでも、当事者にとっては非常に大きな意味を持つということを知りました。
何かをする度に「代理の方」に頼まなければいけないプレッシャーは、その度に
「自分は一人では生きていけない人間なのだ」
と思い知らされるようで、苦痛なのだと。
だから、メールやSNSなど通信手段の発達によって自分一人でできることが増えるのは、本当に嬉しいことなんだと語ってくれた方もいました。
こうした生の声を伝えた斉藤区議からの質問に対して、行政側は
「平成28年4月を目処に、適切に対応していく」
と、事実上改善を約束する非常に前向きな答弁を行いました!
とかく「検討する」「調査を重ねる」などの回答が多い役所答弁の中で、これはかなり実現確度の高いものになったと言って良いでしょう。
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ちなみに私も都議会の厚生委員会において、都立病院の予約が電話対応のみで、障がいをお持ちの方が自分の力で予約できないことを指摘し、FAX・メールによる対応実施を提案しましたが、
「代理の方が対応するなどで、今のところトラブルは生じていない」
「詳細な状況の聞き取りが必要になるので、文章での対応は困難」
と、にべもない答弁で一蹴された過去を持ちます…。
やっぱり、当事者が発言するということは、大きな政治力になりますね!
参考:「自分一人では生きていけない気分になる」都立・公社病院における、言語聴覚障害者への対応改善を!
http://otokitashun.com/blog/togikai/5058/
地域に密着する地方議員の仕事は、こうした日常生活の小さなところに潜む問題点の発掘・改善です。
当事者という強みを活かし、斉藤区議にはどんどん問題解決を測って欲しいと思います。
私自身も都政の場から、彼女の活動から学び、またサポートしていきます。
質問全文は、斉藤区議自身のブログからご確認くださいませ。
一般質問を行いました
http://saitorie.com/blog/kusei/415/
また、残念ながら今回の一連の流れで明らかになった地方議会全般の情報閉鎖性については、時代に合ったものになるように願うばかりです。
皆様もぜひ様々な声を、身近な議会に届けてみてください。
東京新聞:「筆談区議」初質問 撮影・録音を許可せず 北区議長「権限の範囲内」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20150626/CK2015062602000111.html
それでは、また明日。
おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 31歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、地方議員トップブロガーとして活動中。
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