「虐待かな?!」判断が難しい被虐待児童の保護基準

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
今月11月は、「児童虐待防止推進月間」です!と思って東京都のHPを見たら、


児童虐待防止推進月間~オレンジリボンキャンペーン~
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/jicen/gyakutai/gekkan.html

…内容(ポスターや標語等)が、今年度版に更新されてないんですけど?!
別のページも特になさそうだし。。こりゃ明日、担当部署に要確認ですな。

ちなみに今年の標語は「多くの支えが、一つの繋がりになる。」で、ポスターの最優秀作品は以下のもの。

s_agora1104-01

推進月間だからというわけではなく、常時大切なことですが、少しでも身近に児童虐待が疑われるような事例があれば、素早くご相談の連絡を!
まだあまり知られていませんが、110番や119番と同様に

「189」(いちはやく)

で児童相談所の専門ダイヤルにつながります。
その他のガイドラインは、下記のページもご参照ください。

「虐待かな?」と思ったら・・・。
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/jicen/gyakutai/leaf_txt.html

虐待防止に対する一連の活動は、私の専門分野である社会的養護・児童養護の分野と切っても切り離せません。
今や要保護児童となる理由の半数以上は、保護者からの虐待となっています。

社会的養護・児童養護に関する記事はコチラ。
http://otokitashun.com/tag/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E7%9A%84%E9%A4%8A%E8%AD%B7/

日本の人口や子どもの貧困率を福祉先進国と比較して考えると、我が国にはまだ保護が必要にも関わらず支援の手が届いていない児童が相当数いるのではないか、という調査結果も報告されています。

※ご興味のある方は、資生堂社会福祉事業財団の視察報告書が大変詳しいです
http://www.zaidan.shiseido.co.jp/activity/carriers/training/pdf/vol_39.pdf

一方で、この虐待通報→親子分離については、極めて難しい判断が強いられることも事実です。
先日も私の元に、他県の方からご相談が入りました。

お子様が骨折をしたので病院に連れていったところ、虐待の疑いがあるとして児童相談所に通報され、親子分離させられてしまった。

自分は天に誓って虐待などしていないが、我が子が保護されてしまって2週間以上が経つ。
なんとか誤解を解いて子どもを手元に取り戻したい…

残念ながら私の職責となる範囲ではなかったので、当該の児童相談所に連絡し、

・議員のもとにかくかくしかじかのご相談があったこと
・虐待はしていないとのご主張なので、適切な調査と対応をお願いしたい

という旨だけお伝えするに留まりました。
こればかりはお話を聞くだけでは真相はわからないので、本当に慎重な調査の上で判断していただくしかありません…

東京都の案件であれば、行政側の言い分や状況を聞くこともある程度できますが、双方の主張が食い違うことも多く、明確なエビデンスがない限りはなかなか有効な対応ができないのが正直なところです。

議員という立場であっても、できることに限界を感じる一例でもあります。
どうすることが一番良いのでしょうね。。

とはいえ、慎重になりすぎて虐待の事実を見過ごし、重大な事態へと発展することは一番避けなければいけない事態です。

児童相談所は経験とノウハウを蓄積して「誤認保護」を少しでも無くしていき、一人でも多くの子どもたちが救われるよう、私も海外事例などの調査研究を重ねて東京都に政策提言をしていきたいと思います。

良かったらみなさんも、オレンジリボンを付けてくださいね!

子ども虐待防止オレンジリボン運動
http://www.orangeribbon.jp/index.php

それでは、また明日。

おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 31歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、地方議員トップブロガーとして活動中。

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