アゴラ編集長の新田さんが書かれた「戦争法案」が候補に?流行語大賞、感じ悪いよねというエントリーで流行語大賞にやたらと政治ネタ、しかも安保法案に関連したワードが取り上げられていることに、疑問を投げかけています。
私も今年の流行語大賞のエントリーには非常に疑問があります。あまりにも政治に寄りすぎていますし、政治への見方も旧リベラル寄りです。選考委員の面々も、旧リベラル寄りの人たちばかりですし、このような状況ならば、流行語大賞はもうやめませんか?
2014年も政治色・反政権色があった
去年は2014年ですが、みなさんは流行語大賞に何が選ばれたか覚えていますか?日本エレキテル連合の「ダメよ~ダメダメ」と「集団的自衛権」です。通常は1つですが、2つ同時受賞になりました。2013年は「今でしょ」「じぇじぇじぇ」「倍返し」「おもてなし」と4つも同時受賞したので、一つだけを選ぶという縛りもゆるくなっているのでしょう。
2012年はスギちゃんの「ワイルドだろう?」が、2011年は「なでしこジャパン」と政治とは関係のないものが基本的に選ばれてきました。2009年には「政権交代」が選ばれていますが、これは新たな政治の形が出現したという期待が当時はありましたから妥当だと思います。他にも「どげんかせんといかん」という言葉も政治系であれば大賞に選ばれていまうが、これもインパクトがありました。
ですが2014年の「集団的自衛権」は時代を表しているとは私には思えません。「ダメよ~ダメダメ」については今でも「ああ、あったね」とか「流行ったよね」と納得できます。ですが、集団的自衛権という言葉を聞いて2014年という時代を振り返る事ができないのです。
受賞当時の2014年も、実はこの集団的自衛権が選ばれた時には恣意的だという批判が見受けられました(中立とは言いがたいですが、産経新聞のページが残っているので参考にどうぞ)。2014年も今回の政治ネタ、安保法案関連ワードがたくさん選ばれているという状況と似ています。つまり去年の大賞受賞、そして今年のエントリーを見ると、現政権や保守派を批判するために流行語大賞が使われているのではないかと思ってしまうのです。
さらにお笑い関連で言えば「ラッスンゴレライ」や「安心してください、はいてますよ」が入っているのであれば、「ダンソン」や「ニーブラ」、さらに小学生に大ヒットした「本能寺の変」も入っていてもおかしくありません。芸能・エンタメは世相を表すのにピッタリなカテゴリです(あまちゃんの「じぇじぇじぇ」のように)。なのに芸能・エンタメ関係を減らしてまで政治関係のワードを増やす必要性があったのでしょうか。
流行語大賞も潮時か
このような「政権批判・保守批判のために流行語大賞が使われているのではないか?」と疑ってしまうような状況が続くのであれば、批判ばかりが増加することになってしまいかねません。政治色が強くなり、政権批判のワードが多く選ばれるようになるならば、嫌気が差して離れていく人も多くなることが予想されます。それは流行語大賞に関係している人たちも望まないでしょう。
であればもうこれを気に流行語大賞をやめてしまうのも一つの方法です。もちろん政治部門・エンタメ部門・社会部門などに分けて大賞を設けるという方法もあります。どのような形でも良いですが、去年・今年の流行語大賞のように政治色、特に旧リベラル色が出過ぎている状況は早急に改善したほうが良いのではないでしょうか。
松本孝行
@outroad