またまた山口二郎氏が叫んでいる。11月15日付の『東京新聞』で民主党議員を批判している。
細野豪志、前原誠司両氏は維新の党の江田憲司氏とともに民主党の解党を叫びだした。気は確かかと言いたくなる。
「気は確かかと言いたくなる」のは、こちらの方だ。
「安倍政権の集団的自衛権の行使容認によって立憲主義が破壊される」と大袈裟な話を繰り返したが、国民の多くは安倍政権、自民党を支持している。本音では自衛隊すら「違憲である」と考えている憲法学者と一緒になって大騒ぎした民主党の支持率は一向に上がる様子がない。自民党に対する批判、安倍政権に対する批判を幾ら繰り返してみたところで、民主党の支持率は上がらない。
国民は、「民主党」の存在そのものをかなり否定的に捉えているといってよいだろう。
実際に、民主党には政権担当能力があるのだろうか?
多くの国民が不安に思っているはずだ。
まるでかつての社会党のように政権担当能力が欠如し、政府批判しか繰り返さない民主党を疑問視する国民は多い。だから、政権担当能力をもつ、健全な野党を目指そうという動きが民主党内で生じるのは、決しておかしなことではない。「気は確かか」などと言われる筋合いはないだろう。
そもそも、人を批判する際に、「お前は人間じゃない。叩き斬ってやる」などと絶叫する人間こそ「気は確かかと言いたくなる」。
呆れてしまうのは、つい先日までは「立憲主義が破壊される」と騒いでいたが、もう飽きたようで、今度は日本の「民主主義」が終わるとまで述べている。
山口氏は云う。
自民党が来年の参院選に勝てば、日本の民主主義は終わりである。
おそらく、現状が維持される限り、来年の参院選では、自民党が勝つだろう。だが、別に日本の民主主義は終わらない。
何故、この人は、極端なことばかりをいって、国民を脅すのだろうか。
いつも「狼が来た!」と嘘ばかり言って、隣人を騙し、愉しんでいた少年の童話を思い出す。彼は、本当に狼がやってきたときに、また嘘をいっていると思われて、誰にも助けてもらえなかった。
何故、山口氏はここまで極端な言説で国民を脅かすのか。
やっぱり、「気は確かかと言いたくなる」。
そして山口氏は最後を不気味な精神論で締めくくっている。
今の野党に必要なのは、安倍政治に敵がい心を持ち、これを何としてでも終わらせたいという欲求を持つことである。
どのように政権を奪還するのか、あるいは、どのような政策を国民に提示するのか、ではなく、ただ安倍政権への敵愾心を持てばいいという。
政権に敵愾心だけ持ち、憎悪の炎を燃えたぎらせる。
それは健全な野党の精神というよりも、冷酷で自己中心的なテロリストの精神に近いのではないか。
何度読み返してみても「気は確かかと言いたくなる」。
編集部より:この記事は岩田温氏のブログ「岩田温の備忘録」2015年11月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は岩田温の備忘録をご覧ください。