一夜にして寄付件数を18倍にした東京都?!

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
今日はこれから、本当にあった奇妙な話をします。


本日は私も総務委員会があったのですが、同会派の両角みのる都議が登壇した厚生委員会の質疑の傍聴に行きました。彼から事前に、興味深い話を聞いていたからです。

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(東京都の担当局に鋭く迫る両角都議)

両角都議が今回質疑の一つで取り上げたのは、舛添知事が就任後に肝入りでスタートした「子育て応援基金(ファンド)」。

都が出資した基金から、子育て支援で先駆的な試みを行うNPO・企業等を金銭的に援助するという試みですが、ここで実は都民からの寄付も募っているのですね。

寄附について
http://www.fukushizaidan.jp/313kosodate/donation.html

そもそも論として寄付を募る必要性は非常に疑わしいんですけど、

「広く都民からの理解を得るため」

という目的の下、東京都福祉保険財団に丸投げをして、チラシなどを作ってそれなりに寄付を募る活動を展開しています。
そして募集開始から約半年以上が経過しまして、集まった個人寄付の件数は…

11月18日までの時点で、1件。(ちなみに法人寄付も1件)

この情報を掴んでいた両角都議は、11月19日に行われる委員会でこの点の効果や妥当性を質問するぞと、東京都側に質疑通告して答弁調整を行っていたわけですね。

※議場でいきなりオールアドリブで質疑応答をするのは非現実的・非効率なため、議会では程度の差はあれ質疑通告をして調整を行うことが一般的です。
詳しくはコチラの過去記事から。

半年かけてきた事業の成果が「1件」ですから、担当局としてはどうしても聞いて欲しくなかった質問のようで、
あの手この手で質問を取り下げるよう働きかけてきたようです。

もちろん毅然とした対応を貫く両角都議。
すると委員会当日に、不思議なことが起こったのです!

答弁担当部署の責任者が両角都議の元に訪れて、一言。

「現時点で、個人寄付の件数は18件になりました。よって本日の委員会では、この数字で答弁させていただきます」

身 内 パ ワ ー 炸 裂 。

いや絶対、内部からの寄付でしょ、それ。
半年かけて1件しか集まらなかった個人寄付が翌日朝に17件増えたとは、常識的にはちょっと考えられない展開です。18倍ですよ、18倍!

もちろん、寄付者の個人情報を守られ、誰が寄付したかを知ることはできないため、真相は闇の中ではありますが…。

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18件という数字を答弁してくる東京都側の理事者に対して、両角都議の切り返しは秀逸でした。

「私が調べていたところでは、昨日の段階では個人寄付は1件で45,000円でした。それが一夜にして18件68,000円まで増えたのですね…。このペースでいけば、年末までに700件の寄付が集められるということですね( ̄ー ̄)」

「17件という数字には、都の職員の皆さまが含まれているのかもしれませんが、まだまだ都民へも周知が不足しているので、ぜひこのペースで頑張っていただきたい」

ちなみに法人の件数は変わらず1件のまま。
17件23,000円が一夜にして集まったわけですけど、寄付は一口千円からですので、ほとんどの方が千円か二千円の寄付であったことが推察されます。

いやはやしかし、役人根性の凄まじさを垣間見た一件でした。
以前にも官僚組織は誤りを認められないという「無謬性神話」を紹介しましたが、まさにそれを地で行った例と言えます。

半年間で1件などという事実が議会で露呈されることは許されない。
答弁を避けることができないのなら、数字のほうを変えてしまえっ!

…世間ではこういうことを、なんと表現するのが適当なんでしょうか。。
捏造・水増しとまでは言えないかもしれませんが…。

繰り返しになりますが、寄付者の内訳を知ることはできないため、あくまでも推察に留まります。以上のプロセスから考えて、都民の皆さまの判断を仰ぐ他はありません。

過ちを過ちと認められない組織や人は、必ずや道を踏み外す。
小さな嘘やごまかしの積み重ねが、やがて大きな事件につながっていく。
私はそのように思います。

このような官僚組織の体質を暴き、改善の圧力をかけることも議員の大きな職責の一つなのです。
私の続く質疑でも、しっかりと結果を出せるように努力して参ります。

それでは、また明日。

おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 31歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、地方議員トップブロガーとして活動中。

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