どうも新田です。本日は大阪ダブル選挙の日でございますが、投票箱を開けたら、びっくりポンな結果になるんでしょうか。ちゃんと投票には行きましょう。先日、アゴラでも掲載されていたノーブル内藤先生の記事によれば、大阪の地盤沈下が不動産価格でも顕著なようでして、大阪が「商都」という称号を得ていたのが昔日の感がする状況も争点と言えそうです。
朝ドラの「あさが来た」が舞台にしている頃の大阪は、近代化の波に乗り、ここから上り調子になっていくわけですが、去年の「マッサン」と同じように、起業家の一代記ということもあり、男性のビジネスパーソンでも結構ハマっているんじゃないでしょうか。ただ、ウイスキー醸造の輸入に尽力したマッサン以上に、あさちゃんの方がイノベーターのキャラクターが濃いように感じるのは、炭鉱なり、銀行なり、生命保険なり、女子大学なり、様々なジャンルで日本社会の近代化アップデートを推し進めた史実もあるからでしょう。
今週発売の拙著「ネットで人生棒に振りかけた!」でも書きましたが、イノベーター的なリーダーは次の3点をこなします(といっても文科相補佐官の受け売りですが)。
1・新しい仕事や仕組みをクリエイトする
2・既存の仕組みでパターン認識できないことを判断しなければならない
3・リスクマネジメント(想定外のトラブルに対応する)
来週以降のドラマでは、鉱夫さんたちとのトラブルがまた起きるらしいので「3」がどういう風に繰り広げられるのか見ものではありますが、「1」や「2」に関して、あさちゃんが生まれ持っての起業家体質というのは、実は少女時代からのセリフに見て取れます。
それは彼女の口癖である「なんでどす?」(大阪に嫁入り後は「なんでだす?」に微修正)。産経新聞のドラマ評にあるように主人公をチャーミングに演出する一つの形態としての印象に目を惹かれがちですが、少女時代から「女の子が相撲やそろばんをしてはいけない」という常識に挑んでいたあたり、脚本の大森美香さんは、あさちゃんが既成概念を根幹から問い直すイノベーター気質であることの記号化として、この「なんでどす?(なんでだす?)」のセリフを多用しているのではないかと想像します。
モデルになった広岡浅子女史が実際に「なんでだす?」を口癖にしていたのかどうか記録が残っているのか興味深いところですが、上記の1~3については、起業家ものを描いたドラマの楽しみ方として、ビジネス経験のない主婦の方でも気軽にご活用いただければと思います。あと、お子さんが「なぜ?」「なぜ?」を繰り返してきた時、そこできちんと向き合うのか、単に「世の中はそういうものだから」と、あさちゃんの怖いパパのようにお尻ペンペンする思考停止ぶりを発揮してしまうのか、子育て的には重要だということにもお気づきいただければ幸いです。
なお、史実の広岡浅子は還暦を過ぎた頃、去年の朝ドラ「花子とアン」の主人公、村岡花子と交流しており、今回の「あさが来た」でも、山本耕史さんが土方歳三を大河以来11年ぶりに演じたのに続き、吉高由里子さん演じる花子が再び朝ドラにお目見えするのか、ドラマ終盤のお楽しみです。
ではでは。
新田 哲史
アゴラ編集長/ソーシャルアナリスト
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