本日告示!選挙を旅する(大阪府池田市編)前編 --- 選挙ドットコム

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編集部に届いた一通のメール


大阪ダブル選挙は終わってしまい、取材に行きそびれた私は「しばらく大阪に行くことは無いだろうなあ」と思い、年末業務の計画を立て始めた。
そんなある日、フラフラとコーヒーを飲みに選挙ドットコム会議室の横を通ると、高畑総裁がニヤニヤしながら手招きをしているではないか。なにごとかと部屋に入ると、こんなことを話しかけてきた。

高畑(総裁)「高橋さん。実は編集部に情報提供のメールが来たんですが、それが11月29日告示の池田市長選挙(大阪府)についてのものなんです。現在、池田市長選挙は現職の小南氏が出る予定なんですが、なんとその対抗馬として前職の倉田氏が出るらしいんです」

高橋(つまり私)「へ?そんなのはよくある話じゃないの?」

高畑「それが、現職の小南氏は、前職の倉田氏が大阪府知事選挙に出るときに後継指名した人物らしいんですよ」

高橋「おっと。それはちょっときな臭い話になってきたね。それって、自分が後継指名した人が市長をやっているのに、『いや、やっぱり俺がなる』って返り咲きを狙っているって話になるのか。そりゃあモメるだろうなあ」

高畑「ところが現職の小南氏も、市の公共事業を受注している業者の社長と車を交換していたという事件があって、一時期は大問題になったようで、それが決着していないみたいなんです」

※小南修身市長が土木工事会社社長と車を交換していた問題
小南市長が土木工事社長と交換して取得したトヨタ「マークX」は11年2月、中古車販売業者に160万円で下取りに出された。そしてフランスの高級車「シトロエンC6」を430万円で購入したという。さらに同年11月には、同じ中古車販売業者を介してC6を、土木工事会社が前名義人だったクラウンのハイブリッド車に交換した。土木工事会社は、08年8月~12年10月、テニスコート修繕や緑地広場改修工事など総額約4200万円分の事業(計15件)を市や公社から受注していた。07年度以前は記録がなく不明(2013.2.17 日経新聞記事より一部引用)

高橋「なんだかややこしいけど、黒に近い気がするね。そりゃあ、市民は選ぶの大変だなあ。選挙も泥沼になるんじゃないの?」

高畑「そこで相談なんですが・・・」

高橋「いや、みなまで言うな。俺に行って来いっていうんだろ。このクソ忙しい時期に」

高畑「とてもお忙しいことは重々承知しているんですが。そんなお忙しい高橋コモンにぜひとも現地を見て来ていただきたいと」

高橋「なんだか体よく乗せられているだけにも思えるが・・・」

高畑「私の手作り弁当を差し上げます!」

高橋「なんだそりゃ。それは貰えるものは何でももらうけど。そうかあ。じゃあ来週は金曜日から浜松に行くから、それの前にくっつけちゃおうかな」

高畑「あざーす!それでも良いですよ」

ということで、簡単に大阪行きが決まってしまった。しかし、私は木曜日に大学に行かなければならないため、大阪と浜松は別々になってしまったのである。まるで東京進出を果たした吉本興業のタレントみたいな移動のしかただ(それほど大げさでもないが)。

大阪府池田市ってどんなところ?


大阪府池田市というと、やはり最初に思い出してしまうのが、2001年に大阪教育大学付属池田小学校で起きた児童殺傷事件だ。2001年6月8日に宅間守元死刑囚(04年9月執行)が小学校に侵入し、児童らを次々と包丁で刺した。児童8人が死亡し、教員2人を含む15人が重軽傷を負った。池田市民にとっては思い出したくない事件だろう。しかし、池田小では今年も追悼式が行われ、『命の尊さ、大切さ』を語りつないでいる。これからの子どもたちの命を守るためにも、大人はそれを繋いでいく義務があるのではないか。あれから14年。そのときの小学生は成人している。

その他、池田市を検索してみると、あるわあるわ。阪急電鉄をはじめとする阪急東宝グループの創業者で「天才起業家」と言われている「小林一三記念館」。市立としては日本初となった「落語ミュージアム」。そしてなんといってもチキンラーメンが池田市で発明されたことを記念して建てられた「インスタントラーメン発明記念館」。他にも動物園あり、城址公園あり、なかなか見どころは満載のようだ。

いやいや、遊びに行くのではない。あくまでも選挙の取材だ。おさらいを兼ねて簡単な図にするとこんな感じだろうか。
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前職と現職は、それぞれ何を主張しているのか。池田市民はこの戦いをどう捉えているのか。
これは実際に空気を感じてこなければ。
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中編に続く

高橋茂


編集部より:この記事は、選挙ドットコム 2015年11月27日の記事『選挙を旅する(大阪府池田市編)前編 編集部に一通のメールが届いた』を転載させていただきました(見出しはアゴラ編集部で改稿)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は選挙ドットコムをご覧ください。