何故、政治資金でライザップに行くことは問題なのか

何故、政治資金でガールズバーやライザップに行くことは問題なのか

現在、ガールズバーやライザップに政治資金を支出していたことが問題となっています。しかし、本来はビール券や香典などの公職選挙法で禁じられた買収行為に使用することを問題にするべきであり、政治資金の利用使途自体は何に使ったとしても各政治団体の内部自治の問題として認められるべきものです。

従って、バカみたいなものに使っている政治家は「情報を全公開される」ことで、次の選挙で落選すれば良い、ということが建前となります。ライザップに通ってお腹が凹んだことを有権者が政治活動として評価するか否かというだけの話です。

政治資金の支出内容が問題となるのは「政党助成金」が入っているから

政治資金の支出内容が問題になる理由は「政党所属議員の政治活動費には『税金』である政党助成金が入っているから」です。

国会議員が自らの政党支部や後援会に政党助成金を受け取っているならば、本来の政治団体の内部自治の範囲から外れた問題が発生します。

政党助成法第一条には、

(目的)
第一条  この法律は、議会制民主政治における政党の機能の重要性にかんがみ、国が政党に対し政党交付金による助成を行うこととし、このために必要な政党の要件、政党の届出その他政党交付金の交付に関する手続を定めるとともに、その使途の報告その他必要な措置を講ずることにより、政党の政治活動の健全な発達の促進及びその公明と公正の確保を図り、もって民主政治の健全な発展に寄与することを目的とする。

と書いてあります。つまり、政党から政党助成金の一部を受け取っている国会議員などは「まともな政党活動と民主政治をやろうね」ということです。

そのため、選挙の洗礼で判断されるべき「政治活動の支出内容」の是非が「有権者以外」の納税者一般から問われることになります。しかし、当然「公明・公正」や「健全な発展」は人によって価値観が違うので、見方によっては何でも不適切な支出にできることになります。

政治家の責任は違法行為以外は選挙で問われるべきである

本来、政治家は選挙で自らの行為の責任を問われるべきです。そのため、選挙とは異なる倫理規範が求められる「政党助成金」の存在をそもそも認めるべきではありません。日本共産党のように政党助成金は全額受け取らず、その他の収入で政党運営を行っていくことが政治団体の内部自治を確立するために必要なことです。

政党が企業・団体・個人から寄付を受けることは当たり前のことであり、政党助成金を受け取って政治団体の内部自治を放棄すれば「常に突っ込みどころ」を晒しながら政治活動を行うことになります。

政治家が目先にぶら下がった税金に飛びつくことで、選挙以外で自らを辞職に追い込める状況を作りだしていることは本当に愚かなことです。マスメディアが取り上げる不適切な支出などは適当な理屈で簡単に作り出せます。たとえば、共産党員も納税者であり、自民党の国会議員の支出に何でも文句をつけることすら可能だからです。

政治家は自分の支出の責任は自分で取るべきであり、いちいちマスメディアなどを通じて納税者全体をくだらないレベルの話に巻き込むことを止めるべきです。政党助成金という税金にオンブにダッコの政党運営を見直し、政党・国会議員には納税者から独り立ちしてほしいと思います。

渡瀬裕哉(ワタセユウヤ)
早稲田大学公共政策研究所地域主権研究センター招聘研究員
東京茶会(Tokyo Tea Party)事務局長、一般社団法人Japan Conservative Union 理事
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