国会議員の権威失墜

先日までBLOGOSでも「丸山和也」タグが1位と話題でしたが、私は先々週の「自民党・丸山和也法務部会長による参院憲法審査会での“奴隷”発言」問題を知るに心底呆れ果てました。


此の御方は嘗てテレビ等でコメンテーターをされていたようで、その時分からボケていたのか昨今ボケ始めたのかは存じませんが、今回の発言は全く意味不明で「一体何が言いたいの?」と思うものでありました(笑)。

丸山氏は18日この「憲法審の幹事懇談会で発言を撤回し、幹事と委員を辞任した」わけですが、彼のように低レベルな人を憲法改正等に関する法律案の審査等を行う大事な審査会の幹事にしていた自民党という党自体に対し、「本当に大丈夫なの?」との感を抱かずにはいられません。

「妻の出産入院中に密会報道」を受けて議員辞職し離党した宮崎謙介という御人、あるいは「除染基準の1ミリシーベルトには科学的根拠がない」と発言し後に謝罪・撤回した丸川珠代という環境相、等々そうした事例は枚挙に遑がありません。

次はひょっとしたら「経済通でもなく、TPPに精通しているわけでも」なく(自民党関係者)、その「失言癖」でよく知られている石原伸晃新経済再生担当相あたりを、野党が槍玉に挙げるような展開も一つ予想されるのではと危惧しています。

石原氏は例えば2年前の6月、環境相時代に中間貯蔵施設建設を巡っての「最後は金目でしょ」発言が思い出されます。あるジャーナリストに拠ると、甘利明前担当相の後任に「安倍首相はいきなり“軽量級”を据えてきた。大丈夫か」と、「危ぶむ声」も自民党内より聞こえてくるようです。

こうした類の議員が次から次に出て来る状況に対しては、自民党総裁および内閣総理大臣としての安倍さんの責任は当然免れ得ないと思います。先に挙げた丸川環境相で言いますと、以前『小渕・松島両氏辞任に思う』(14年10月23日)というブログでも指摘した通り安倍さんは、女性であればそれで良いといった調子で一国の将来の舵取りを担う極めて大事な大臣人事を行っているかのようにすら思えます。

元兵庫県議会議員・野々村竜太郎被告の酷さに象徴されるように、私は戦後日本の政治家の劣化が著しく進んでいることに大変な憂いを覚えます。上記挙げた自民党議員の他にも、無茶苦茶で本当に低級な議員先生が最近は増えてしまったよう感じられます。国会議員の権威失墜を招いている此の嘆かわしき日本の政界の現況を、私は非常に深刻に捉えています。

他方ではまた此の年初に当ブログで指摘した、「トランプ・リスク」が今米国で現実味を帯びてきています。一週間程前の共和党ネバダ州党員集会でもドナルド・トランプは、専門家の間で有力視されるマルコ・ルビオ及びテッド・クルーズの両氏を抑え、中南米系およびキリスト教保守派も含めて幅広い層に浸透し圧勝を収めたのです。

カトリック教会の最高指導者であるローマ法王と言い合いしているような大統領候補など未だ嘗て見たことがありません(笑)。世界中の政治指導者が何か可笑しくなっているということでしょうか。

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