動き始めた東京都のオープンデータ。

音喜多 駿

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
連休中は熱がぶり返したり下がったりと一進一退です。
今日は早く寝たいと思います。

さて、先週の総務委員会では都市外交や議員報酬の他に、
きちんと(?!)政策についても取り上げておりましたので、
その中から一つご報告をば。

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私が当選直後から主張してきた政策の一つに、
「オープンデータの促進・利活用」があります。

これは行政が所有している膨大なデータを
「二次利用可能な形」で公開することで、民間事業者がそのデータから
様々なサービスを開発・提供するように促す仕組みのことです。

例えば簡単なものですと公衆トイレやAEDの場所などを
行政は把握しているわけですから、そのデータを公開することで

「都内トイレアプリ」
「緊急時のAED探索アプリ」

なんかが民間レベルで開発されていくと。
行政は持っているデータを公開するだけなのでコストはほとんどかからない上、
自ら何もしなくても民間サービスレベルが向上していくという極めて合理的な政策です。

ところがまあ、なんとなく想像がつく通り、
我が国の行政はこのオープンデータに非常に消極的でした。
お役所の保守性とでも言いましょうか、

「何に悪用されるかわからない」
「データに間違いが発見されたら、大変な問題になる!」

という考え方だったわけですね。

オープンデータ先進国のアメリカから遥かに遅れること3年ほど前、
ようやく総務省からガイドラインが発表され、私も都議会質問で取り上げましたが、
まだその当時は自治体レベルではほとんど動きがないというのが実情でした。

それでもしつこく政策提言を続け、
ようやく平成27年度初から試行版が運用開始。

東京都オープンデータ一覧(試行版)
http://www.metro.tokyo.jp/SUB/OPENDATA/

当初は40程度しかなかったデータ群も、
ようやく1600あまりの種類が公開されて形になってきました。

とはいえ、まだPDFデータも散見されるなど、
オープンデータの本義を満たしたものばかりとは言えません。

で、今回の定例会で再び質問として取り上げたのは、
ようやく平成28年度からこのオープンデータ政策に対して
単独での予算が計上されたから
です。

その金額はわずか3,700万円あまりと少ないものですが、
データ公開の基盤整備やデータ変換の経費などに使われるそうです。
要はオープンデータを担当する総務局が東京都各局に

「どんどん都民に公開するデータを出してくださーい!」

と働きかけるのですが、各局はPDFでしか
電子データを出してこなかったり(!)するので、
そこら辺を変換して公開したりするわけですね。。

これからの運用のポイントは、総務局がどれだけ東京都各局に
オープンデータの重要性を認識させ、能動的に有効なデータを
提出させることができるか
だと思います。

東京都などの巨大行政の施策でありがちなのは、
事業化されて予算がついても熱心なのは当該部局だけで、
縦割り行政の弊害により他の部署がその施策に非協力的という事態を招くことです。

量的な拡大を目指して数値目標などを与えたとしても、
各局が

「公開してもかまわないデータ」
「自分たちが提供したいデータ」

のみを提出してくるようでは、民間事業者から見ると
まったく使えないダメダメデータベースが完成する可能性があります。

あくまで利用者目線でどんなデータが求められており、
どんな形で公開されるのがベストなのか。この辺りをしっかり調べた上で、
総務局が主導となってオープンデータベースの充実を目指していかなければなりません。

加えて区市町村との連携(同じ形で同水準のデータが公開されないと意味がない)、
民間事業者とも協力関係を築き、アイディアソンやハッカソンなどのイベントを
実用的に運営していくことなどを提案・要望いたしました。

ようやく4月からの予算化ということで周回遅れの感は否めませんが、
ここからはスピード感をもった展開が都の施策としてなされていくよう、
引き続きしっかりと政策提言を続けて参ります。

それでは、また明日。

おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 31歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、地方議員トップブロガーとして活動中。

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