Hola!(オラ=スペイン語の「こんにちは」。スペインでは街行く人にHola!と声をかけます。)スペインは、サンセバスティアンに行ってきました。
サンセバスティアンは、世界一の美食の町。人口は18万人ですが、ミシュランの3つ星レストランが3店、2つ星が1店、1つ星が5店を数え、人口当たり最も星の数が多い町として最近俄かに注目を集めています。2016年、欧州文化首都にも選ばれました。
今回の研修(HASEKURA2.0)では、民間企業、NPO、行政など様々な立場から「食」に関わる日本人メンバー有志と、行政(サンセバスティアン市)の部長、世界唯一の料理大学(バスククリナリーセンター)の幹部、料理教室(サンセバスティアンクッキングスタジオ)の社長などと現地で意見交換を行いました。
(サンセバスティアンは、白い砂、透き通る海が有名な観光地。)
サンセバスティアンでは、「食」に関する様々な取組が行われていますが、とりわけ特長的なのは「美食クラブ」。料理が大好きな人たちが集う会員制クラブです。
<美食クラブとは>
●男性は漁に出るため、家庭の中は母親が仕切ることが多い。そのため、「美食クラブ」は、男性が自由に語らう場、お客さんをもてなす場として19世紀にオープン。
●会員は男性だけ。
●会員制クラブ。紹介がなければ入れない。
●プロだけでなく、料理が好きな人たちが集まり、みんなで料理を作り、楽しむ。
●新しい料理をみんなで教え合うことで、サンセバスティアン市の豊かな食文化を醸成。
●現在、サンセバスティアン市には100程度の美食クラブが存在。
実際に、ある美食クラブの会長(写真右)にいろいろと聴いてみました。
●1907年にオープン
●会員数は200名
●新会員の入会については既存の会員が審査。中には20年以上入会を待っている人もいる。
●会費は入会金が2000ユーロ。年会費が300ユーロ。
●ワインなどを飲んだ場合は自主申告で実費を支払う。
●美食クラブの中では社会的地位や収入は関係ない。みんな対等。
●美食クラブのメンバーになることで社会的なステータスはない。あくまで趣味の集まり。
●会長職はボランティア
●会員の年齢は19歳から90数歳まで。年齢はばらばらだが、先輩が後輩に一方的に教える関係ではない。
●けんかを防ぐため、政治・宗教・サッカーの話は禁止。
●奥さんの愚痴も禁止。料理を中心にみんなで楽しむこと。
●ワイン工場の見学会などを開催。スポーツクラブを作ったり、他の美食クラブと共同して、難民に寄付することもある。
●料理を作るときは、作りたい食材を選ぶ。値段はほとんど気にしない。
ちょうどいらっしゃったのが、会員最年長のおじいちゃん(写真左)
90歳を超えられたかとか。
「この人は、もうすぐ入れ替わります。」という会長のブラックユーモアも信頼があるから、そして元気だからこそ言えること。今でも、ほぼ毎日美食クラブに顔を出して料理を作っているそうです。
料理文化の担い手と受け手がこれだけいるのが特長。「あそこの店でこんな料理食べたよ。今度みんなで作ろうよ!」というような声が聞こえてきそうです。
しかも、それが100年以上続いている。食の都サンセバスティアンの強みでは、ないでしょうか。日本でもいい形で取り入れていきたいです。
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編集部より:この記事は、鹿児島県長島町副町長、井上貴至氏のブログ 2016年5月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『「長島大陸」地方創生物語~井上貴至の地域づくりは楽しい~』をご覧ください。