クルーズが撤退表明、トランプはマジック・ナンバー到達へ

安田 佐和子

Crez Out

インディアナ州での予備選で、共和党のドナルド・トランプ候補が勝利しました。ジョン・ケーシック候補と反トランプ候補の協力を誓ったテッド・クルーズ候補は、呆気なく撤退を表明。これで、トランプ候補が正式候補の指名に必要な獲得代議員数1237を突破する公算です。

開票率98%時点で、結果は以下の通り。インディアナ州の代議員数は57人で、勝者総取り方式を採用します。

トランプ 53.3% 獲得代議員数 51人(獲得総数 1047人)
クルーズ 36.6% 獲得代議員数 0人(獲得総数  565人)
ケーシック 7.6% 獲得代議員数 0人(獲得総数  153人)

2013年の債務上限引き上げ及び暫定予算交渉では、空気を読まずフィリバスターにいそしんだクルーズ候補。ジョン・ベイナー前米下院議長をして「この世に存在する魔王(Lucifer in the flesh)」、「miserable son of a b#tch」と言わしめ、まさかの出馬を果たした時は、その厚顔無恥っぷりに驚かされたものです。予備選の終盤には北東部5州での予備選前にはケーシック候補とタッグを組み、カーリー・フィオリーナ元ヒューレット・パッカード最高経営責任者(CEO)を副大統領候補に指名し、インディアナ州ではバスケットボールのゴールの輪を”フープ”でなく”リング”と呼ぶなど、そのKYっぷりはとどまるところを知らず。6月まで突き進むかと思いきや、意外に尻窄みな結末を選択しました。インディアナ州の集会で、インディアナ州で開催した集会で舞台から転落したフィオリーナ氏をスルーしたという失態を演じ猛批判を浴びたから、というわけでもないでしょう。

「次期米国大統領、テッド・クルーズ!」と紹介して直後にコケたフィオリーナを無視。
fiorina
(出所:youtube

1237人獲得が濃厚になってきたトランプ候補の下に、さらなる大物選挙参謀が馳せ参じています。レーガン元大統領のほか2008年にはマイク・ハッカビー元アーカンソー州知事の選挙対策委員長を務めたエド・ローリンズ氏は、トランプ候補を支持する特別政治行動委員会(スーパーPAC)のグレート・アメリカ・PACに加わり、本選ヘ向けた戦いの地盤を固めます。

こうなっては、ブローカー・コンベンションの可能性は遠のいてしまいました。ボブ・コーカー上院外交委員長(テネシー州)がトランプ候補が新たに表明した外交政策を評価したのは、その伏線だったのでしょうか。あるいは、ポール・ライアン米下院議長の発言通り、別のシナリオが出来上がりつつあるのでしょうか。

民主党予備選では、まだまだ熱い戦いが続きます。インディアナ州での予備選結果は、開票率98%でこちら。

サンダース 52.5% 獲得代議員数 43人(獲得総数 2202人)
クルーズ 47.5% 獲得代議員数 37人(獲得総数  1400人)

民主党で正式候補の指名に必要な獲得代議員数4763には、依然としてクリントン候補がリードしています。ただ1941年生まれのサンダース候補は、諦めません。選挙スタッフの人員を削減しつつ、豊富な寄付金を元手にまだまだ粘る見通し。1970年、71年生まれのテッド・クルーズ氏やマルコ・ルビオ氏と比較すると、ガッツが違いますね。

(カバー写真:Gage Skidmore/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2016年5月4日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。