債券先物のナイト・セッションの時間延長

1985年10月に東京証券取引所に上場され、現在では大阪取引所で取引されている長期国債先物取引(債券先物取引)は前場、後場以外にイブニング・セッションがある。ただし、そのイブニング・セッションは時間が延長され、いまは翌朝3時まで取引が行われている。

2000年9月に東証で債券先物とオプションのイブニング・セッションが開始された。2011年11月21日からはイブニング・セッションの終了時間が18時から23時30分まで延長された。そして2014年3月24日からはイブニング・セッション取引の終了時間は、23時30分から翌日午前3時に変更された。

イブニング・セッションが午前3時まで行われることにより、LIFFEで上場されていた日本国債先物取引は細った。大阪取引所とLIFFEとの間の相互決済はあったが、当然ながら市場参加者にとってイブニングを使ったほうが使い勝手は良い。このため、LIFFEでの日本の国債先物は上場廃止となった。

このようにイブニング・セッションは取引時間が延長されてきたことで、深夜というか早朝まで取引が行われ、実質的にはイブニング・セッションというよりもナイト・セッションとなっている。大阪取引所のサイトで確認しても、債券先物のこの時間帯の名称はナイト・セッション(夜間取引)となっている。

さらに今年の7月19日に予定されている次期デリバティブ売買システム(次期J-GATE)の稼働開始に伴い、このナイト・セッションの時間帯がさらに延長されて翌朝の5時半までとなる。ほとんどモーニング・セッションに近いものとなるが、とにかくもイブニングという名称は実態に合わなくなっていることは確かで、私もいまさらながら今後はナイト・セッションという用語を使いたいと思う。

ちなみに米国のFOMCは日銀の金融政策決定会合と違って終了時間というか、結果の発表時間があらかじめ決められている。最終日は夏時間で日本時間午前3時15分、冬時間で日本時間午前4時15分に結果が発表される。つまり7月19日以降はこのFOMCの結果発表のタイミングで日本の債券先物を売買できることとなる。

日銀の金融政策決定会合も終了時間を統一してほしいとの要望がある。いつもより終了時間が遅いだけで妙な思惑が働き相場が乱高下することもある。決定事項の数が会合毎に違うなどの事情はあるかもしれないが、これは是非検討していただきたいと思う。

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編集部より:この記事は、久保田博幸氏のブログ「牛さん熊さんブログ」2016年5月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。