ベーシックインカムは、収入に関係なくすべての国民に無条件で毎月一定額を支給する制度。貧困や少子化などの対策に効果的だとされる一方、年金や失業保険などを廃止することから反対の意見もあります。
ヨーロッパ各国で導入の動きがあり、フィンランドが効果を検証するため失業者など一部の国民を対象に来年から試験的に導入するほか、オランダでも自治体レベルで試験的に始まっています。
昨日はスイスで、そのベーシックインカムの導入の賛否を問う国民投票が実施されました。開票の結果、反対が70%を超えて否決。市民運動家の提案による国民イニシアチブで実施されたものの、現在の年金や失業保険をあてても財源不足にいたると政府が反対運動を進め、経済界も労働意欲の減退や生産性の低下をきたすおそれがあると反対しました。右派・左派ともに明確に賛成する政党がなかったことも一因でした。
大事なことは、このような国政の重要問題について国民投票で直接国民の意思を確認することだと思います。一部の政治家や官僚だけが制度の維持・変更を決めるのではなく、国民に広く議論を促し、その意志を尊重して決定することです。
推進派の市民団体側は「幅広い議論の開始こそが勝利だ」と述べています。社会保障のあり方について国民の中で議論を喚起したことは大きな意義があります。
英国でもEUに残るか離脱するかを決める国民投票が6/23(木)に実施されます。
http://ameblo.jp/koutamatsuda/entry-12132245731.html
日本の民主主義の発展のために、これからも私は国民投票(日本では憲法改正にしか使えません)の重要性と法制化を訴えていきたいと思います。
編集部より:この記事は、タリーズコーヒージャパン創業者、参議院議員の松田公太氏(日本を元気にする会)のオフィシャルブログ 2016年6月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は松田公太オフィシャルブログをご覧ください。
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