<増田寛也氏のネット上に公開された酷すぎる「言い訳」集>増田寛也氏ファーストクラス利用、岩手県議会で取りやめ懇願されるも一切無視の過去
<質問者>
「言いたいことは、今この不況時代です。民間だったらボーナスはなくなって、給料は7割ぐらいになっているんです。たしか7割ぐらいになっているところもあります、ゼネコンとか大きいところは。そういう時代に、大きい会社で、自分の力で役職員がグリーン車とかファーストクラスに乗るのだったらいいんですけれども、県民の税金で、私も含めてですが、グリーン車とかファーストクラスに乗るのは、来年度からは何とかやめてもらいたいような感じがして今話をしているんですが、見解をお願いします。」
<答弁者>
「今、資料が届きましたのでお答えいたします。いわゆるグリーン料金につきましては、知事、副知事、出納長並びに議員の皆様及び議会選出の監査委員の内国旅行、国内旅行に支給されております。それからファーストクラス料金につきましては、知事並びに議長が外国旅行に際して航空機を利用した場合に支給されている実態でございます。」
<質問者>
「知事は公選で岩手県から1人しか出ないわけですので仕方ないとしても、以下の人は全員普通車でいいと思うんですが、その見解をよろしくお願いします。」
<答弁者>
「特別職の職員の方々のグリーン料金とファーストクラス料金の支給につきましては、この旅費制度全体が職務とか職責に応じた旅費を支給するという基本的な考え方で構成されておりますので、国あるいは東北各県の状況もおおむね同様でございますので、現行の制度で運用してまいりたいと考えております。」
上記のやり取りは、平成13年12月4日に、水上信宏・岩手県議会議員の質問と岩手県人事課長の質問に対する答弁です。勘違しないように再確認しますが、これは「東京都議会議事録」ではなく、増田寛也氏・岩手県知事在職時代の「岩手県議会会議録」です。
水上・岩手県議会議員は不況の中で県民の税金をグリーン車や航空機のファーストクラスに使用することを止めてほしいと懇願しています。しかし、それに対する岩手県庁は事務方からの冷たいNoの官僚答弁でした。
議員の質疑は問題視した知事職のファーストクラスについては渋々妥協しているとはいえ、増田寛也氏のファーストクラス利用が岩手県知事時代にも県議会で問題になっていた動かぬ証拠と言えるでしょう。
増田寛也氏が発表した「言い訳集」を読んでみた
筆者はファーストクラスの利用自体を問題視しているわけではなく、自分自身がファーストクラスを利用していたにも関わらず他者のファーストクラス利用を批判することに象徴される、増田寛也氏の変節ぶりを一貫して問題視してきました。
そして、舛添前知事がファーストクラス利用等の税金の使途について都議会で追及されたことが都知事辞職の要因の一つとなっているにも関わらず、過去の知事時代にファーストクラスを利用していた人物をワザワザ選んで推薦する都議会自民党の政治的な見識も合わせて問題視してきました。
増田寛也氏「ファーストクラス使いながら、他人の使用は批判」
<続報>増田寛也氏「ファーストクラスの座り心地」を熱弁
増田寛也氏は、ファーストクラス利用を含めた様々な問題がネット上で炎上すると、「皆様のご質問にお答えします」という言い訳集を発表しました。ほぼ全ての言い訳に突っ込みどころが満載のペーパーなのですが、あえて取り上げるなら、やはり岩手県知事時代のファーストクラスの利用についての言い訳でしょう。
Q岩手県知事時代のファーストクラスの利用について
「A都知事就任後はビジネスクラスを利用して参ります。なお、当時のファーストクラス使用も適正なルールに基づいておりましたが、都民の皆様のご負担を少しでも減らすのは公務を行う上での大前提であると考えております。」(増田寛也氏のネット上に公開された酷すぎる「言い訳」集)
いかがでしたでしょうか。岩手県知事時代にファーストクラス利用をやめてほしい、と議員から懇願されて冷たくあしらった過去を棚に上げて「適切なルールに基づいておりました」と回答する人物の発言を信じるべきか、もはや改めて語るまでもないかと思います。
岩手県知事時代にファーストクラス利用を停止するためには、県議会議員の指摘を受けて知事の判断で自粛するか、または特別職給与条例の修正すれば良かっただけです。本当に改革派を自称する知事であったならば、自らが厳しく経費削減を行う中で我が身から見直すことは当然のことだったと思います。
言い訳集の「ルール上の問題ない」は官僚答弁でしかなく、増田氏は過去の首長としての対応を反省するべきであり、政治家としての基本的な責任感がないなら今からでも立候補を辞退する道もあるかと思います。
いい加減に「実務ができる」広報担当者を用意してください、お願いします。
ネット上で起きているファーストクラス利用問題が発覚した経緯は、僭越ながら筆者が最初に日経テレコンで探した岩手日報の記事をアゴラ上で紹介したことがきっかけになったものと思います。
その後、日本記者クラブの共同記者会見で増田氏がTBS記者にファーストクラス利用を糺された際、その反省の弁を述べることなく、珍妙な言い訳を披露したことで様々なネットメディアでまとめ記事が生産されて大炎上しました。
さらに、今回の「官僚答弁」をペーパーでサラッと発表して終わらせようとする姿勢、しかも自分自身の県議会での議事録で問題視された事実は無かったことにして、自らがファーストクラス利用規定を変更せずに、「ルールに基づいていたので問題ない」と発表できる神経を疑います。
問題の本質は「ファーストクラスに乗っていたこと」「ファーストクラスがルールに基いたものであること」ではなく、その場その場の立場によって都合が良い発言を繰り返す増田寛也氏の候補者としての信頼性にあるのです。
筆者が増田陣営に送る助言は「実務ができる」広報担当者を用意したらどうですか?ということです。何でダメな方向にキャッチボールを成立させてくるのか・・・。そもそも大前提として、都議会自民党は現場の実務に関心がある候補者も用意してくださいね。
以上です。都民の皆様には、メディア対応の初歩としての「裏取り」(しかも、自分の公式発言について)もできない候補者に実務力があるかどうかをしっかりと見極めて頂ければと思います。