この件について日経ITProからインタビューを受けていたが、今日付で記事が配信された。「記者の眼 2020年、アクセシブルなWebで訪日客を迎えよう」をご一読いただきたい。
記事はよくまとめられているが、僕の発言のすべてが掲載されているわけではない。そこで、僕の主張の要点を以下に記しておく。
- アクセシビリティというと障害者への対応と限定的に考える人がいるが、対象は非常に広い。実際、ウェブアクセシビリティJISは、「アクセシビリティは,視覚,聴覚,身体,発話,認知,言語,学習及び神経の障害を含む,広範な障害に関係している。」と規定する。訪日客は日本語ができないという点で「一時的な障害者」である。
- 訪日客の母国語はまちまちだが、各国で母国語と英語の間の機械翻訳の研究が進んでいる。したがって、平易な英語テキストで情報をウェブに掲載すれば、機械読み取りして、高い精度で母国語に翻訳できる。ウェブ提供者に英語以外にも対応するように求めるよりも費用が節減できる。
- オリンピック・パラリンピック直接関連情報だけではなく、交通機関・宿泊施設・飲食場所・ショッピングセンターなどを含め、訪日客に情報が伝えられるかが課題になる。情報が伝えられなければ、訪日客は道に迷い、食事に困り、日本に悪印象を持って帰国する。
- 東京都は、関係者(交通機関・宿泊施設・飲食場所・ショッピングセンターなどの運営者)を集めて、平易英語表記を充実するように組織的な対応を進めるべきである。小池知事のリーダシップが求められる。