連合の神津里季生会長が、二重国籍の国会議員はほかにもいるのでそんな問題じゃないと発言したそうだ。国籍法がかなり厳い論理で二重国籍を否定しているのを知らないらしい。労働組合は無秩序な外国人労働者の流入を防ぐためにも国籍問題には敏感でなければならないのに不思議な感覚だ。
二重国籍議員については、当てずっぽうの噂はいろいろあるが、私がそれなりに確度が高いと理解しているのは、アメリカ生まれで本人が最近まで二重国籍を吹聴していたのを聞いたという情報が複数ルートからもたらされている野党代議士だけだ。ただし、法螺かも知れない。
神津会長はネトウヨの流している在日疑惑名簿でもみて誤解しているのではないか。私の理解では、戦前から日本名を名乗っている人は、現在の日本領土に幕末以前からルーツがある場合であって、官報に帰化の公示が出ていない限り、そういうことはないと思う。ただし、女系などは別の問題だ。
日本への帰化の場合はかなり厳密に放棄を求められるので難しい。アメリカの市民権を取った場合は、日本の国籍放棄を求められることもないこともあるようだが、可能性としては少ない。いずれにせよ、もっとも確率が高いのは、海外で生まれた人とハーフで、それ以外は少ないのではないか。とりあえず、そういう人は、まず、自ら公表して欲しい。
あとは、韓国籍は二重国籍はいないと思うが、朝鮮籍というものをどう見るかちょっと微妙で、この際、朝鮮籍からの帰化した人について問題が出ないようにしっかり検証する必要がある。
アントニオ猪木さんは、ブラジルに12歳の時に渡って、数年で帰ってきているから違うと思われる。なお、アントニオ猪木はリングネームだ(本名は猪木寛至)。
二重国籍の国会議員については、①そもそも立候補を禁止する、②当選したら解消を義務づける、③禁止しないが公表を義務づける、④秘密でもよいという考え方が大ざっぱにはあるし、若干の折衷案もありうる。しかし、少なくとも④はおかしい。①は厳しすぎるようにも見えるが、公務員が立候補そのものが禁止されているのとのバランスを考えれば、おかしいわけでない。日本の法律は立候補要件が諸外国に比べて厳しいのだから、それとのバランスは考慮すべきだ。
※アイキャッチ画像は日本記者クラブ公式サイトより引用(編集部)