小金井ストーカー刺傷事件を質す&小池知事議会デビュー

上田 令子

昨日から東京都議会第三回定例会が始まりました。記録的な傍聴希望者が殺到し313ある傍聴席がほぼ満席となり、入りきれなかった皆さまは議事堂PRコーナーの大型スクリーンをご覧いただく事態となり、椅子席も足りなくなって立ち見まで出たほどでした。小池知事当選を願いともに街をかけぬけた、ポイントグリーンの皆さまも傍聴席からお姐に手を振ってくれましたが、なんと朝七時半から並んでくださったとのことです。本当にありがたいことです。

知事の感動的ともいえる所信表明は、「都政は都民の信頼を失った」「ワイズ・スペンディング」「あふれんばかりの贅肉をつけてしまった巨大な肥満都市東京」などなどの名言が繰り出されました。議員の中からは、誰一人野次を言ったり、いいぞ!の合いの手を入れる者もなく静まりかえってました。
所信表明の中で、知事は度々議会の本来のチェック機能を発揮するよう求めました。ようやく、二元代表制を理解する知事が登場し、本来の地方自治のありかたへ回帰できると非常に意を強くいたしました。
でありますことから、選挙にて都議では、いの一番で知事を全力で応援したとはいえ、議場に入れば二元代表制の是々非々。私の所属するかがやけTokyo会派は、ゆえに拍手等はいたしませんでした。しかし、舌鋒鋭く知事を批判しジャーナリストを応援し、政策政治理念を全く異にして争った民進党席から拍手がわき、驚愕しました。「選挙後はノーサイドの議会運営」というのは政策論争を通じるものであって、このような自分達の選挙だけを念頭にいれた節操のないパフォーマンスに強い違和感を持った次第です。

来る10月5日(水)は私の一般質問となります。皆さまご期待くださいませ!

【今期最後の警察消防委員会質疑】
私が平成25年12月8日第四回定例会一般質問をしたその日にストーカーDV総合対策本部が立ち上がり、平成27年3月31日副総監通達により人身安全関連事案総合対策本部として正式発足しました。しかしながら、残念なことに今年の5月21日、警察に相談していながら初動ミスにて女性アーティストがまちぶせしていた容疑者にナイフで多数を刺されて重傷を負わされた「小金井ストーカー事件」が発生してしまいました。

以下、チームお姐の独自聞き取り調査にて時系列にまとめたものです。

☆小金井ストーカー時系列経緯☆

5月9日 小金井ストーカー事案に関し被害者は自宅のある武蔵野警察署へ相談。加害人物を特定して「blogツイッターに書き込みをされてブロックされ、知人のツイッターに書き込みを始めましたので迷惑がかかるのでやめさせてほしい」と依頼。

5月19日 武蔵野警察署から電話で連絡、21日土曜日にライブハウスに出演することがわかったので何かあったら本人に110番通報することを伝えたとのこと。

5月20日 犯罪被害防止等即時対応システムへの登録をするとともに小金井警察署へ電話で被害者からの相談の内容、ライブ活動の場所時間を教示、連絡をし110番入電時の対応を小金井に依頼。連絡受けた小金井ではライブハウスを管轄する交番(駅前)に、110番入電時の対応について連絡していたとのこと。

5月21日 本事案は人心安全関連事案総合対策本部の取り扱いとなる。

同日17時5分 被害者の携帯から、1分後の6分、目撃者から入電。発生場所、東京都小金井市本町6丁目複合施設前。

同日17時10分 小金井指揮隊及び小金井第2小隊が現場に到着した際には、警察官の到着は確認できず(消防庁答弁より)。

110番を受けた小金井署員が12分に現場に到着。犯人を現行犯逮捕。被疑者は、平成28年5月21日被害者に対し殺意をもって所携の刃物で頸部胸部を複数回突き刺し全治不明の障害をおわせたもの。

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今回お姐が、憤りをもって着目した質疑と答弁は以下の通りです。

お姐「被害者は、犯罪被害防止等即時対応システムに登録しながら、なぜ機能せず、現場の最寄りの武蔵小金井駅前交番はまちぶせを把握しておらず、被疑者の職務質問ができなかったのか。人身安全関連事案総合対策本部にこの件がなぜ報告されていなかったのか。」

警視庁地域部長「通信指令本部の110番受理担当者が同システムに登録された住所地と携帯電話の位置情報を同時に確認すべきところ、同システムに登録されていた住所地(お姐注:自宅)を管轄する警察署(武蔵野警察署)に司令し、携帯電話の位置情報を確認していなかった。事件当日の武蔵小金井駅前交番の勤務員は、被害者がライブハウスを訪れることを事務引継ぎで確認しており、被害者からの通報にもそなえていたが、結果として事案の防止にいたらなかった。」
(お姐超訳:小金井駅前交番は当日情報を把握していたものの、システム担当者がうっかり自宅の方へ警官を派遣してしまっていたので、最寄りの交番は事件が起きるまで動けませんでした。)

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被害者の母親は、被疑者の居住地である京都府警に相談をしていました。前述したように被害者は、武蔵野警察署も相談をし、小金井署へも武蔵野署から連絡がいっていたのです。なのに、結果的には傷害事案に発展した上記の経緯については残念を通り越して憤怒の念に堪えません。
小金井はお姐選挙区の飛び地(笑)と言われてちょくちょくお邪魔しており、奇遇なことに懇意にしていた当該ライブハウスの店主からも情報が寄せられお話を伺いました。このことから、警察よりも先に消防が駆け付けたことを早い時点からお姐は知ることになりました。

犠牲者が出てから後手後手で動いてきたDV・ストーカー事件ですが、警視庁も本庁をあげて努力しせっかく仕組みが整って来たというのに、人的ミスでまたしても甚大な被害が防げなかったことが残念でたまりません。この件を踏まえて警視庁は、自動的に通報場所である位置情報が画面表示できるようシステムを改修、交番での相談においても対策本部に速報し、情報を組織的に共有できるように体制を強化したとのことです。

一方救急隊員が、先に到着して何よりの救いとなったことも見逃せません。消防庁答弁によれば「平成28年5月21日17時9分に小金井消防署に通行人から駆付通報があり、小金井指揮隊、小金井第2小隊、栄町救急隊が出場しました。17時10分に小金井指揮隊及び小金井第2小隊が現場に到着した際には、警察官の到着は確認できませんでした。」とのこと。

被疑者がナイフを持っている中、救急隊員は被害者を一刻も早く治療に結び付けようと勇気ある対応をし、一分一秒を争う事態のなか、一命をとりとめるたことについては大いに評価したいと思っております。あわせて、救急隊員の身辺の安全を守る取り組みも確認をさせていただきました。

最後となる質疑が、よもやこのような身近な事案となるとは思いもよりませんでした。

【お姐総括】
警察消防委員会では、ことに警察に対し共産党までもが質問を控える慣行がありますが、私は委員就任以来、警視庁にも協力を頂きながら時宜に応じて活発な質疑を敢行してきました。今回も質疑をしたのは、私一人でありました。
この件に関しては、再発防止等を求める陳情が5件あがってきました。国政与党である公明党も、SNS上での執拗な嫌がらせに対する規制などが柱の改正案を一昨年に取りまとめていることから「SNSを対象に加える「ストーカー規制法」の改正を求める陳情書」の願意はごもっともなものでした。ところが、私以外は自民、公明、共産、民進全て質問なしで、そのまま私以外全会派とも理由を述べずに陳情に反対し、不採択となった次第です。

心に残ったのは、「若いアーティストの活躍の場を作る」とライブハウスを開いている店主の言葉。

「事前に連絡が欲しかった。警察から一報いただけていたら、駅まで迎えにいったのに…。」

被害者の方の一日も早いご快癒とアーティストとして復帰できますことを心より願っております。

そして議会人として小池新知事所信表明「都民全体の利益が最大化すると信じることをお互いに議論をぶつけあう。それが新しい都政における都議会の姿」のとおり、委員会議論の活発化を引き続き牽引してまいります!

追伸:プライムニュースに昨夜登場。10月8日までダイジェスト動画が見られます!
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お姐提言「“ドン(自民都連のことw)とヌエ(都庁官僚のことw)”から、あなたの自由を守る都政」

☆お姐、交番機能アップをサポートせよ!そして地域を見守る地方自治ポリスであれ!☆

上田令子 プロフィール

東京都議会議員(江戸川区選出)、地域政党「自由を守る会」代表、地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)副代表
白百合女子大学を卒業後、ナショナルライフ保険(現ING生命)入社後、以降数社を経て、起業も。2007年統一地方選挙にて江戸川区議会議員初当選。2期目江戸川区議会史上最高記録、2011年統一地方選挙東京都の候補全員の中で最多得票の1万2千票のトップ当選。2013年東京都議会議員選挙初当選。2014年11月地域政党「自由を守る会」を設立し、代表に就任。2015年3月地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)を設立し、副代表に就任。

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