以下の産経記事は間違い。
➡「落胆した」とふくれっ面の国際ボート連盟会長- 産経ニュース http://www.sankei.com/premium/news/161009/prm1610090024-n1.html … さんから
長沼の五輪ボート会場の整備費は351億もかからない。おそらく産経記者は都庁が数年前に長沼など他の会場と海の森を比較するために作った資料をひそかに入手し、数字を誤引用したのだろう。
しかし、調査チームはあの数字は海の森と他の候補地を同列でフェアに評価した結果に基づくものと考えない。また現地ではその後、道路が整備され、選手村の用地もできて状況が大きく変わった。351億は、もはや意味のない数字だ。
宮城県庁が試算する数字ははるかに小さいものになるだろう。なお、現地の登米市長は100億もかからないと想定されている。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161010-00000036-nksports-soci
ちなみに、この産経記事、見出しもわけわからない。数字の間違いも困るが、見出しもひどい。ちゃんと、本質とらえて書いてほしいものだ。
ところで現地では宮城県と地元の登米市が爆速で着々と準備を進めている。きわめてスピーディー!ついに、復興五輪が始まった。全国で応援したいものだ。
以下は、河北新報:
県の提案は、「復興五輪」としての位置付けを強く訴えるとともに、レガシー(遺産)となる競技場の活用策を示すのが柱。県内各地にある耐用年数が長い高品質のプレハブ仮設住宅約1100戸を改築し、選手が宿泊する選手村などに活用する。浴室やトイレ、台所などを備える仮設住宅を再利用すれば経費削減効果が大きいと強調する方針。五輪開催後は長沼ボート場で実施される各種大会参加者の合宿施設や来場者の宿泊施設として再整備する。選手村の予定地として、長沼ボート場から約7キロ離れた登米市南方町の仮設住宅団地を提示。約3キロ離れた長沼第2工業団地(登米市迫町、17年度完成予定)も盛り込む見通しだ。五輪後、宮城でインターハイ・ボート競技の恒久的な開催を目指す方針も明らかにする。県によるとインターハイでボート競技を実施する場合、会場整備や仮設事務所の設置などで約1億円の地元負担が生じる。開催地を長沼ボート場に固定することで、全国の自治体や参加校の費用削減につながるという。現在、1000メートルコースで行われているレースを、国際大会の基準に合わせた長沼ボート場の2000メートルで毎年実施することで高校生の競技力アップが期待できる。大会で使用するボートを常備する計画も描いており、県復興基金の活用など応分の財源負担にも言及するとみられる。12日の会談では、課題とされる交通アクセスの問題にも踏み込む。20年度の完成を目指す「みやぎ県北高速幹線道路」(みやぎ県北道路、全長24キロ)の整備による会場へのアクセス向上をアピールする。
清く、正しく、美しい、被災地の動きの後で、汚く、怪しい東京のニュースを最後に。
以下の記事は、海の森の工事にはたったひとつのJVだけが応募し、しかも予定価格よりたった31万円低い価格で落札した(落札率100%)という事実を伝えており、たいへん興味深い。
編集部より:このブログは慶應義塾大学総合政策学部教授、上山信一氏のブログ、2016年10月10日の記事を転載させていただきました。転載を快諾いただいた上山氏に感謝いたします。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、上山氏のブログ「見えないものを見よう」をご覧ください。