ボート、カヌー競技の開催会場問題、彩湖を見ずして決めるなかれ

早川 忠孝

2020年東京オリンピック・パラリンピックのボート、カヌー競技の開催会場の変更は必至だろうと思っている。

宮城県の村井知事が都庁を訪問して小池知事に陳情するくらいだから、宮城県には相当の自信があるのだと思う。
出来ることなら宮城県の希望を叶えて上げたいところだが、同情だけで決めていいような問題ではないから、ここはしっかりとすべての問題点を洗い出したうえで、大方の国民が納得するような結論を出すことだ。

どうやら国は一銭も2020年東京オリンピック・パラリンピックのために資金を拠出する気がなさそうである。

なーんだ、そうだったの、と思うようなことなのだが、どうやら2020年東京オリンピック・パラリンピックは日本の国家的行事の位置付けではないらしい。
薩摩の守の忠則ではないが、安倍内閣のただ乗りのようである。

安倍内閣のオリンピック担当大臣はただの広報担当ということのようである。
予算もなければ、何の権限もない。

予算もなければ権限もないのであれば、オリンピック担当大臣も安倍内閣も2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催について余計な口出しをしない方がいい。

東京都がボート、カヌー競技の開催会場を変更する、と言えば、国はこれに従わざるを得ない立場である。
宮城県での開催について国がバックアップするのであれば、小池さんとしても国の要請をある程度受け容れた方がいいとは思うが、国が何も協力せず、しかも宮城県での開催には難色を示す人が多いということであれば、東日本大震災復興のための2020年東京オリンピック・パラリンピックだと言っても無理をすることはない。

ボート、カヌー競技の団体からは彩湖がいい、という話が出てきている。

彩湖がどの程度いいのかは門外漢の私には分からないが、もし彩湖がサイコーということになるのだったら、彩湖を移転先候補地から外すのはお勧めできない。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2016年10月13日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は東京五輪組織公式サイトより引用)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。