そろそろ2016年の締め括りをした方がいいだろうと思っている。
2016年は、あり得べからざることが次々と起きた、後世に名を残す歴史的大転換の1年だった、と言っていいだろう。
国の内外であり得べからざることが起きた。
アメリカの大統領選挙で本命のヒラリー・クリントン氏が敗れ、共和党の中で当初泡沫扱いだったと思われるトランプ氏が勝利した。
常識的な判断しか出来ない大方の人は、こんなことは誰も予想していなかったはずだ。
イギリスが国民投票で本当にEUからの離脱を選ぶ、などということも、まず誰も予想していなかったはずである。
私たちの度肝を抜くようなことが相次いで起きている。
翻って日本では、舛添東京都知事が都知事を辞職する羽目になり、東京都知事選挙になった。
年初の段階で舛添氏の失脚を予見した人はいたのだろうか。
あり得べからざることが世界の各地でこんなに同時多発的に起きた、という年を、私は知らない。
おそらく韓国の朴槿恵大統領もいずれは失脚し、刑事訴追の対象となるだろう。
2016年は、一言で言って大変な年であった。
その大変な年にあって、結果的に大変なことにならなくてよかったな、と思えるのが小池百合子東京都知事の誕生である。
まさに薄氷を踏むような際どい道程を辿って小池東京都知事が誕生した。
未だ具体的な成果を挙げているわけではないが、それでも小池さんが都知事になってよかったな、と思うようなことがいくつか見えてきている。
その詳細はまだ書かないが、まずはよかった、よかった、というところである。
蓮舫さんと小池さんの夢の対決についてアゴラの編集長の新田さんが本を出版されるようだ。
その触りの記事を読んだが、如何にもそのとおり、という感じである。
私は蓮舫さんが都知事選挙に立候補しなくてよかった、とつくづく思っている。
参議院選挙の直前でなければ、蓮舫さんが都知事選挙の方にターゲットを切り替えたかも知れない。
二重国籍問題が発覚する前の蓮舫さんだったら、都知事選挙に立候補したら当選したはずである。
小池さんもそれなりに魅力のある人だったが、全東京都民を対象にしての選挙をしたことがないから、どこにどれだけの固定フアンがいるか分からない。
蓮舫対小池の対決は、マスコミ的には絵になる対決でそれなりに盛り上がったと思うが、多分蓮舫さんの勝利で終わっただろう。
それほどに、当時の蓮舫さんには魅力があった。
まあ、未知の魅力の類だが。
蓮舫vs小池の夢の対決が、本当にただの夢で終わってよかったと思う。
小池さんは、選挙がよく分かっており、勝負どころが見えているから、無理はしなかったはずである。
小池さんは、蓮舫さんが都知事選挙への出馬を表明すれば、衆議院議員を辞めてまで都知事選挙に挑戦することなど考えなかったはずである。
小池さんが都知事になってくれたので、私たちはもう少し夢を見ていることが出来そうである。
来年小池新党が出来ることになれば、今度は永田町が大きく変わる可能性がある。
まあ、鬼を笑わすようなことは、今はしない方がいいだろうが。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2016年11月22日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は産経新聞より引用)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。