こんにちは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
10月から1ヶ月半に渡って続いてきた公営企業会計決算特別委員会も、今日で採決が行われて終了となりました。
注目されたのは、いわゆる豊洲新市場の「盛土」問題を含んだ中央卸売市場会計の採決。
先般のブログでもお伝えした通り、都議会自民党を除くすべての会派が反対(決算不認定)に回ったため、
賛成:11名
反対:11名
(委員総数23名、採決に加わらない委員長は除く)
と「可否同数」という結果になりました。私の議員生活は4年目に入りますが、可否同数となったのは初めてで、「異例」とも言って良い展開でしょう。
ではこのように「可否同数」となった場合、この採決の結果はどうなるのでしょうか?
ここで採決に加わらなかった委員長(本会議であれば議長)が初めて自分の意見を旗幟鮮明にし、最終判断を下すことになるわけですね。これを「議長決裁(委員長決裁)」と言います。
今回、公営企業会計決算特別委員会の委員長は公明党の議員。
公明党はこの決算認定に「反対」の立場であったため、可否同数の後に委員長が「反対」する旨を述べ、中央卸売市場会計の委員会採決は「不認定」となることが確定しました。
本定例会の最終日に、本会議場でも議決が行われますが、自民党の議席数は60/127議席。
単独過半数には達しておらず、会派に所属していない3名の議員が仮に賛成に回ったとしても63名と過半数に届きませんから、正式に都議会として中央卸売市場会計が否決される見込みです。
とはいえ以前の記事で解説した通り、決算が不認定となっても、予算と異なり法的拘束力は一切ありません。詳しく下記をご覧くださいませ。
議会が決算を「認定しない」とどうなるのか?豊洲市場問題を含む中央卸売市場会計、不認定の見込みへ
http://otokitashun.com/blog/daily/13344/
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そして昨日の結果においてもう一つ注目すべきポイントは、公の場で明確に自民党と公明党の態度が分かれたことです。
私が都議会議員になってから初の出来事ですし、委員会や本会議などの採決で明確に賛否が分かれたのは、もしかしたら自公が連立を組んでから初めてになるかもしれません(未確認ですが)。
舛添問題の渦中などにも、自公の間に温度差は存在していましたが、あくまで水面下の調整で最終的にはすべて足並みを揃えて行動してきました。
石原都政から連綿と続いてきた都議会における「自公体制」にも、変化の兆しが見え始めています。公明党がキャスティング・ボートを握ることに賛否はあれど、旧態依然とした議会が変わるきっかけになることは間違いなさそうです。
明後日からの代表質問・一般質問において、最大会派の自民党がどのような戦略を取ってくるか。代表質問の仕組みに変化が現れるとの話もあります。
引き続き、開会中の都議会にご注目をいただければ幸いです。
それでは、また明日。
おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 33歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、日本初のブロガー議員として活動中。