ちょっとだけバタついた文教委員会採決

こんにちは。東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・都議会自民党最年少)です。

さて、昨日のブログ(都議会議案に腑に落ちない点があって。)で都議会に上程されている206号議案についての疑念を書いたのですが、昨日が文教委員会における委員会採決でした。ただ、ちょっとした騒ぎになりました。

というのも、先の記事にも書きましたが、金曜日の私の質疑を聞いていた先生方から、この件については賛否をしっかりと考えなければという話が上がりました。ただ、この議案は「4年」についての賛否を問うものではなく、指定管理にするということと期間がセットになっているので、「4年」にこだわって議案に反対すると、突然に東京都が直営で各施設を運営するという事になってしまうので、それはそれで現場が混乱するという事態を招いてしまいます。

ですので、私も含めて自民党の議員で下記にある「付帯決議案」を提案する事を決めて、各会派と調整に入りました。付帯決議案の提案者は自民党だけだったものの、付帯決議案にはいち早く賛同を示された共産党含めて委員会では公明、民進、ネットの皆さんも賛成されて付帯決議となりました。各会派が方向性を決めるのに時間がかかり、委員会開会が1時間遅くなってしました。ここは私の調整力不足と反省しています。

私が提案についての意見表明を述べました。こちらも、私の読み上げた文を記しておきますので、ご参照下さい。

私達は世界で一番の文化都市・東京を目指して全力で精進して参ります。

今、別の場面では監理団体のあり方について議論が始まっています。これはこれで、私達も真摯に向き合わなければと思っており、一番最善の方策を考えていきます。

●付帯決議案
今後、都立文化施設の指定管理者の指定を行う際には、運営の継続性、専門性や人材の育成・確保の重要性など、施設の特性に十分留意すること

●意見表明案

◯提案されている第二百六号議案については、東京都江戸東京博物館をはじめとする都立文化施設の指定管理者として、公益財団法人東京都歴史文化財団を指定するものであり、賛成です。

◯しかしながら、都立文化施設の指定管理者候補者審査委員会において、指定期間を10年間として審査を実施し、適当であるという審査結果の報告を受けているにもかかわらず、今後、都政改革本部において、東京都歴史文化財団を含む監理団体の指導監督などについて検討が行われることを理由に、指定期間を4年間としています。

◯都政改革本部における検討の中身については、監理団体の指導・監督をテーマの一つに据えて、今後、検証や必要な見直しを行うものとされているのみであり、その内容について、何ら具体的には示されておりません。

◯先日の文教委員会での我が党の質疑でも明らかになったように文化施設における事業の実施にあたっては、著名な美術館と連携した大規模な展覧会では4年程度、オペラ等の舞台芸術を海外から招へいするには、その準備に3年から5年程度要するなど、一つの事業を企画し実現するまで、相当の準備期間が必要です。

◯また、事業を実施するためには、専門人材による、長年にわたる継続的な調査研究活動や、関係機関及び地域との信頼関係の構築など、地道な取組の継続が欠かせません。

◯美術館・博物館では、展覧会の企画立案の中核を担う学芸員等の専門人材が不可欠であり、また、ホール系の事業運営においても、実演芸術の創造発信拠点としての企画力や高度な舞台管理に加え、安全に施設を運営するための有能な専門人材が必要です。こうした事業を支える高度な専門人材の育成・確保は一朝一夕でできるものではありません。

◯今回提案の指定期間4年間の理由の一つとして、2020年に向けた文化プログラムの着実な実施に配慮したためとされていますが、その後のレガシーこそが大事であります。そもそも、4年間では、中長期的視点に立って、安定的・継続的に専門人材を育成し、質の高いサービスを提供するには、不十分です。

◯また、文化施設のように都政との政策連動性の高い施設については、単なる施設管理ではなく、施設を活用して創意工夫に満ちた事業展開等が必要です。したがって、民間事業者に競争をさせ短期間で指定管理者を交代させるような選定手法は適していない点も踏まえるべきです。こうしたことについては、我が都議会自民党としても、平成21年6月1日の「公共事業(運営委託・業務委託等)の正しいあり方について 第二回報告書」においても、問題提起をしているところです。

◯今後、都立文化施設の指定管理者の指定を行う際には、運営の継続性、専門性や人材の育成・確保の重要性など、施設の特性に十分留意すべきです。

◯以上の立場にたって、付帯決議を提案します。


編集部より:このブログは東京都議会議員、川松真一朗氏(自民党、墨田区選出)の公式ブログ 2016年12月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、川松真一朗の「日に日に新たに!!」をご覧ください。