“別件逮捕”だった4度目の懲罰動議-来年こそ55年体制の亡霊に止めを

足立 康史

1.“別件逮捕”だった4度目の懲罰動議

本日正午、衆院外務委員会の理事懇が開催され出席してまいりました。この会合が私にとって重要だったのは、4度目の懲罰動議が外務委(11/2)での私の質疑を対象としていたからです。動議の扱い自体は議運委の担当になりますが、あくまでも動議の提出者は外務委の寺田筆頭と小熊理事の二人なのです。

しかし不可解なのは、11/2の外務委で質問に立った私の質疑はごく真っ当で、懲罰の対象になるような品位を落とす発言はしていなかったからです。実は国会法には3日ルールという制約があるため、民進党は本丸である10/27総務委でなく11/2外務委での私の質疑に言い掛かりを付けてきたのです。

国会法121条3項に「(懲罰)動議は、事犯があつた日から3日以内にこれを提出しなければならない」と規定されているため、敢えて11/2の外務委での私の質疑に言い掛かりを付け、11/4に動議を提出してきたのです。民進党国対が問題視していたのは10/27総務委だったにもかかわらず、です。

2.“無責任”な委員長と“卑怯”な筆頭理事

本日の外務委理事懇で私から寺田学民進党筆頭に、現場で具体的な注意も異論も何もなかった11/2の質疑について、一足飛びに懲罰動議に至った理由を問い質したところ、寺田議員は「この場で議論をするのは差し控えたい」と回答拒否。小熊議員に至っては下を向いて黙っているだけ、情けない限りです。

私から寺田筆頭に重ねて回答を求めたところ、「(11/2の)外務委での(足立の)発言が(懲罰動議の)端緒になったことは確か」「会派として議事を精査した結果、懲罰動議に至った」「会派の問題であり、外務委の運営のあり方等とは関係ない」と意味不明な逃げの永田町用語で煙に巻いてきたのです。

寺田筆頭の発言を受け、「プロレスごっこ」のレフリー役三ツ矢委員長も、「この場での協議事項ではない」「どういう経緯があったか知らない」と白を切り、会議を打ち切ってしまいました。外務委で起こった事案を「知らない」と言う三ツ矢委員長は“無責任”、寺田筆頭は“卑怯”と断じざるを得ません。

なお、懲罰動議を取扱う議運民進党の泉健太筆頭理事は「前の常会で(懲罰動議を)3回提出しており執行猶予のような扱いとなっている。改めて今国会でも懲罰行為を行った」と発言(11/15)しています。とにかく、民進党にとっては,自分たちを批判する発言はすべて「懲罰行為」に当たるようです。

3.来年こそ「55年体制の亡霊」に止めを刺したい

民進党からの4回目の懲罰動議も、通常国会での3度の懲罰動議と同様、会期末(明日)に審議未了=廃案となりゴミ箱行きですから、まあ、どうでもいいと言えばどうでもいいのですが、野党同士の懲罰動議は昭和51年の公明党と共産党との応酬以来、憲政史上2度目ですので、経緯を記録に留めた次第です。

正直、こうした「プロレスごっこ」「猿芝居」「強硬採決だよ全員集合」といった下手な技を繰り出しながら時間を浪費するだけの(与野党の)プロレスごっこに私は辟易するなかりです。来年こそ、そうした「55年体制の亡霊」に止めを刺し「古い政治」を壊し「新しい政治」を創ってまいりたいと存じます。


編集部より:この記事は、衆議院議員・足立康史氏の公式ブログ 2016年12月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は足立氏のブログをご覧ください。