「スマホ受け」時代 ミュージックビデオと縦画面

常見1223

音楽シーンの変化について、ヒットチャート「JAPAN Hot100」を開発・運用するビルボードの礒崎誠二氏にインタビューをした。「JAPAN Hot100」はCDの売上だけではなく、レンタル数、ラジオの放送回数、Twitterで話題になった数、YouTubeなどの再生回数など、複合的な指標によるヒットチャートである。

この記事にまとまっている。
「若者の音楽離れ」って言うな 「売れ方」にこそ注目せよ(常見陽平) – Y!ニュース

礒崎氏とは以前も対談しており。
AKB商法を実は非難できないこれだけの理由 視聴形態が多様な時代の音楽チャートを考える

要するに言いたいことは、音楽の楽しみ方は多様化しているということ。新譜がその週にどれくらい売れたというだけでは、音楽シーンの変化はわからない。それぞれのアーティストで「売り方」も「売れ方」も違うのだ。

2016年は特にYouTube×ソーシャルメディアでのヒットが目立った年だった。RADWIMPS、ピコ太郎、星野源などがわかりやすい例である。音源が売れなくても、YouTubeの再生回数でマネタイズできる。無料で楽しめるから音源を買わないわけではなく、むしろ購買につながる場合もある。なお、「無料で聴けたら音源買わないんじゃないか問題」の歴史は古く。1930年代にラジオ放送が盛んになったときにもアメリカでそんな議論があったそうで。

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おかげ様で2つともよく読まれた記事だったのだが、今日はそのこぼれ話。あくまで、仮説として聞いて欲しい。それはスマホと音楽の関係。

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モバイルファーストの時代である。先日お邪魔したGoogleの年末懇親会でも話題になっていた。このスマホの画面とどう付き合うか。私などは古い人間なので、そんなことを意識せずに書いているのだが・・・。

そういえば、Yahoo!個人のオーサーをしているが、このサイト、管理画面ではPC、スマホ、タブレットなどデバイス別のPV数を記事別に見ることができる他、投稿前のプレビュー画面もスマホ、タブレット仕様で見ることができる。スマホの画面も大きさ別にプレビューでき。

しっかりと調べたわけではなく、あくまで仮説なのだが・・・。ここ数年、ソロアーティストの活躍が目立つ。男性なら、星野源、秦基博、ナオト・インティライミ、女性なら西野カナなど、まあたくさん。もちろん、良い曲を書いているし、売れているし、聴かれているのだが・・・。

これもまたスマホの普及も少なからず影響を与えているのではないか・・・?要するにYouTubeをスマホの画面で見る場合、バンドは入り切らなかったりするが、ソロアーティストならしっかり入るという。縦画面でもバッチリ。

・・・さすがにこれだけでは説得力がないか。

もっとも、MVにしろ、音楽以外の映像にしろ、YouTubeにアップされるものは、スマホの画面で見ることをかなり意識しているのではないかな、と思ったり。

こうやってスマホに支配されていくのかね?

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でも、個人的にも今年はiPhone7Plusに機種変更し、iPadもMacBook Airも持ち歩かなくなったなぁ。これで全部できるというか。

1998年の宇多田ヒカル (新潮新書)
宇野維正
新潮社
2016-01-15


音楽シーンの変化については、昨年から今年にかけて良い本が出ていて。この本と・・・。

ヒットの崩壊 (講談社現代新書)
柴 那典
講談社
2016-11-16


この本はオススメ!

・・・書籍のPVを何度かつくったことがあるけど、来年もやりたいなあ。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2016年12月23日の記事を転載させていただきました。転載を快諾いただいた常見氏に心より感謝申し上げます。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。