講師に聞いた!中国語の学習に発音は不要。筆談で学べ

尾藤 克之
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正面講師が陳氏

1月21日のエントリー「中国語を身につけるには何文字を覚えればよいのか?!」に際して、様々なご意見をいただいた。多かったのが、「発音を後回しにしても効率的ではない」「長い目で考えたら発音からはいるべきだ」という、発音を重視するものだった。

それらの意見を踏まえた上で、著者に再インタビューする機会があったので報告をしたい。当日のインタビューは、著者の陳氷雅(以下、陳氏)、紹介者である商社マンの宮本繁徳(以下、宮本氏)を交えておこなった。

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■筆談をマスターしてから発音を学ぶのが効率的

――筆者は中国語挫折者である。当初、中国語は発音が全てだと考えていた。発音の習熟に注力したが努力は実らなかった。挫折後は中国語に対して苦手意識をもっていた。

「発音は『あとまわし』にすればいいのです。なぜなら、発音が苦手な日本人にとって中国語の発音を覚えることは困難な『修行』でしかないからです。日本の50音に対して、中国の発音は400種類もあります。しかも、その400種類の発音に対して、四声と呼ばれる4つのアクセントがあるため、1600種類の発音があることを意味します。」(陳氏)

「あまりの多さから発音は困難を極めてしまい、中国語学習者のほとんどの人が、発音で挫折してしまうのです。」(同)

――解決策の一つが、本書で説明されている「筆談」という手法になる。書くことが得意な日本人であれば「筆談」を使って中国語を覚えたほうが、はるかに効率的だと主張する。

「なぜ筆談がいいのか、その理由はいくつかあります。細かい発音に左右されず確実に意図が伝わることや、そもそも中国語と日本の漢字は7割が共通であること。そのため正しい学習方法であれば身につきやすいのです。」(陳氏)

「中国語を完全にマスターするなら必ず発音は必要になります。ですが、筆談によって、中国語のツカミは簡単に習得できます。ツカミを習得してから『発音』を学んだほうが、得策とはいえないでしょうか。」(同)

――これについては、宮本氏も次のように補足する。

「中国語と日本の漢字は7割が共通ということは、新たに覚えるのは、たった3割の単語です。記憶すべき量が圧倒的に少ないことや、中国語の文法は『動詞が前』であることを除けば、日本語に似ています。急遽の赴任、海外旅行、学生で第二外国語(中国語)の学習方法に悩みを抱えているような人は必見だと思います。」(宮本氏)

■実は出版までに2年を費やした力作だった

――学習は個々にマッチした方法があると思うので、筆談が絶対!とは言い切れないかもしれない。しかし、発音で多くの人が挫折することも事実。そのような人には試す価値が充分にあると考えられる。ぜひ参考にしてもらいたい。

「ほとんどの参考書や語学教室では、まず発音からはいります。でも、難しく挫折しがちな発音から学ぶ必要なんてどこにもありません。あえて最難関といえる発音から学ぶのは、とにかく非効率でもったいないのです。」(陳氏)

――また、本書は構想してから出版という形にするまでに2年を費やしている。ここにたどり着くには相当な紆余曲折があったと思うが、ひた向きな姿勢にも敬意を表したい。

参考書籍
筆談で覚える中国語』(サンマーク出版)

尾藤克之
コラムニスト

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写真左から、宮本氏、陳氏、筆者(2017年2月3日)

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