中華料理で抑えておきたい最低限のマナーとはなにか?

写真は西出氏(KEYABINGO!2/日本テレビより)

皆さまは、中華料理はお好きだろうか。中華料理には日本料理や西洋料理ほどの厳しいマナーは存在しないといわれる。ところが独特の解釈が存在する。是非、美味しく料理をいただくためにも覚えておきたい。

西出ひろ子(以下、西出氏)は、マナー講師である。主な著書としては、28万部のベストセラーを記録した『お仕事のマナーとコツ』(学研) があり、2010年「NHK大河ドラマ・龍馬伝」にてマナー指導を担当するなど活動は幅広い。日本でもトップクラスのマナー講師として知られている。

中華料理で重視するのはコミュニケーション

中華料理は、料理を取り分けるためのテーブルの形が独特である。円卓という形状は他の料理には見られない。

「中華料理には円卓という独特な形状のものが使用されています。そのため上座や下座のなどのマナーを知らない人が多いのではないでしょうか。今回は、中華料理を食べる際のマナーについてお話しましょう。」(西出氏)

「中華料理は親しい人たちが楽しく食事をすることを大切にしています。楽しく食事ができるように心がけたいものです。必要以上に気張らずに、基本のマナーを抑えながら、その場の雰囲気に応じて柔軟に対応することが必要です。」(同)

たしかに、食事のマナーでもっとも大切なことは、みんなと一緒に美味しく食事をいただきながら、良質なコミュニケーションをとることだ。

「中華料理のマナーとは、一緒に食べる人が楽しく食事ができるための心遣いです。では、間違ったマナーをした人がいたらどのように対処すればいいのでしょうか。例えば、円卓を間違った方向に回したらどうしますか。正解は誤った人に恥をかかせないことがマナーとなりましょう。」(西出氏)

「間違ったことに対してマナー違反とは思わずに、おおらかな気持ちをもって接することで、真のマナー人となれるのです。」(同)

とはいいつつも、中華料理にも、最低限のマナーは存在する。料理を取る際は、逆さ箸にしないことや、器はテーブルに置いたままで食べるのがマナーであることは覚えておきたい。知られていないが、れんげにも正しい使い方があるようだ。

「れんげでスープを食べるときは、持つところのくぼみに人差し指を入れて持ち、れんげの先に口をつけるようにして使います。れんげの横から食べないように意識してください。中華料理には手を使って食べる料理が多く、手が汚れたらフィンガーボウルで指を洗ってナプキンで拭きます。」(西出氏)

「回し台は料理を取り分ける場所なので、大皿と調味料以外は置かないほうがいいでしょう。空いたお皿やグラスを乗せないようにしてください。」(同)

次の例文にお答えいただきたい

ここで、皆さまに、中華料理のマナーについてお聞きしたい。次の文のA~Eに正しい言葉をいれて文章を完成してもらいたい(答えは一番最後に記載)。

Q.質問
中華料理店においては、席次の基本は出入り口から最も近い席は(A)、出入り口に遠い席が(B)となります。上座から見て(C)が二番目、(D)が三番目と交互に下座となっていきます。円卓のまわし方は上座からみて(E)回りが正式です。

日本食に加えて洋食と中華料理の基本的な型を知っておけば、たいていの外食シーンでは落ち着いてスマートに振る舞えるもの。そのためにも、最低限のマナーは覚えておきたいものである。

参考書籍
運のいい人のマナー』(清流出版)

A.答え
中華料理店においては、席次の基本は出入り口から最も近い席はA(下座)、出入り口に遠い席がB(上座)となります。上座から見てC(左)が二番目、D(右)が三番目と交互に下座となっていきます。円卓のまわし方は上座からみてE(左)回り(時計回り)が正式です。

尾藤克之
コラムニスト

<アゴラ研究所からおしらせ>

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