自民党も民進党もヤマト運輸の広報戦略を見習っては ?

記者会見に臨む自民党・二階幹事長(自民党サイトより:編集部)

アゴラの新田さんが見事な謎解きをしてくれたようだ。

宅配便がずいぶん多くなったな、と思っていたが、宅配便業者の方々がこんなに悲鳴を上げているということは知らなかった。郵便は相変わらずだな、ぐらいな印象だったのだが、ついに宅配便問題を何とかしなければならないという世論形成に成功した。

僅か半月で世間の認識を変えることが出来たのだから見事なものである。
新田さんはヤマト運輸が小池さん並みの広報戦略を使ったからに違いない、と睨んでおられるが、一連の報道がヤマト運輸側の広報戦略に沿って行われたものであるとすれば、ヤマト運輸の広報担当者はただものではない。

ああ、自民党も民進党もこんな風にやればいいのに。

民進党に較べれば自民党の広報戦略は見事なものだ、と思ってきたが、最近の自民党の広報は一時期の冴えがない。すっかり後手に回ってしまっている。

プーチン大統領との会談やトランプ大統領の会談あたりまでは、先手先手で着実に得点を稼いでいたが、最近は見苦しいことばかり。

森友学園問題についての対応などは最悪と言っていいだろう。
見切りの付け方が悪い。

森友学園の籠池理事長は、もっと早く切り捨てていい存在だったはずだが、如何にも感度が悪い。
自民党の方から籠池理事長の参考人招致を言い出せばそれでも何とか先手を取れただろうに、と思うが、自民党は未だにグズラグズラしている。

これでは、自民党が如何にも籠池氏の証言を恐れているように映る。
籠池氏が何を言い出すか分からない、などと自民党の幹部が呟いているような報道が流れてくれば、誰でも籠池氏がキーマンだと錯覚してしまう。

官邸も自民党も方向感覚を失ってしまっているようだ。
ひたすら、籠池氏の参考人招致には応じられない、とだけ言っている。

安倍内閣や自民党の支持率を下げさせるためにそうやっているのならともかく、今自分たちが何をしようとしているのか、何をしているのか分かっていないようなのが驚きである。

ヤマト運輸の広報戦略を見習え。
そう、申し上げたいところである。

勿論、民進党についても同じことが言える。
まあ、民進党は拙劣過ぎて、物も言えないが。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年3月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。