「井上さん、今度、正社員からバイトに昇格したんです!」と嬉しそうに語るのは、さつま島美人で有名な杉本酒造の古賀崇洋(こがたかひろ)さん29歳。
仕込みなどで忙しい午前中は酒造で働き、比較的落ち着く午後は陶芸家として制作する生活を続けてきた。まさに社会人スポーツ選手のアーティスト版だ。
古賀さんの作品は最近注目を集め、来週からはついに銀座三越で個展を開くという。そのため、焼酎工場で働く時間が減ってきたというわけだ。
一定の人数を擁するスポーツチームの場合は、大企業でなければ維持・運営が難しいが、アーティストは一人から支援できるのが強み。
アーティストにとっては作品や名前が売れるまでの不確かな期間、生活が安定するのが魅力だが、焼酎工場で働く効果はそれだけではないという。
ともすれば、アーティストの生活は、孤独で不規則な夜型になりがちだが、仲間とともに、整然とした工場の中で、朝からしっかり仕事をすることで、より良い作品をつくることができるという。
また、他の職員にとっても一生懸命に自分の道を追求する仲間から刺激を受けるそうだ。アーティストの独自の人脈が、若年層など新たな販路獲得にもつながっているという。
この働き方は、佐賀県の鍋島酒造などにも波及。働き方としても注目を集めている。焼酎大国・鹿児島県には100を超える焼酎蔵があるが、それぞれの蔵に、麹菌が住みつくように、アーティストが住みつけば、地域に根差した文化や芸術も生まれてくるのではないか。そうなれば、鹿児島はもっともっと面白くなるのではないだろうか。
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編集部より:この記事は、鹿児島県長島町副町長、井上貴至氏のブログ 2017年3月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『「長島大陸」地方創生物語~井上貴至の地域づくりは楽しい~』をご覧ください。