4月19日は、何の日がご存知ですか? 4月19日が4(フォー)19(いく)であることから、同日を「みんなの保育の日」(※日本記念日協会に正式認定取得済)とし、保育事業者が中心となって、日本中で子どもと保育のことを考えよう!というイベントを開催しようとしています。小池知事がメッセージを寄せてくれたり、人気男性保育士のてぃ先生などもご登壇頂き、保育業界初かつ最大規模のイベントを開催します。
今回の「みんなの保育の日」のイベント会場であるニコファーレの運営を行っている株式会社ドワンゴの川上量生会長は、経営者として育休を取得し、さらに親となり初めて直面した「待機児童問題」に憤り、社内に「どわんご保育園」を設置したことで有名です。
現在2歳のお子様の子育てをする川上会長に、子育てをしてみて感じたこと、男性経営者としての育休取得、結婚、出産、日本の子育て環境について、みんなの保育の日実行委員である、駒崎弘樹がインタビュ-を行いました。
強制育休!?気づいたら育休がカレンダ-に登録されていた。
-駒崎
上場企業の会社の経営者が育休を取得するっていうのはなかなか聞かないことだと思うのですが、どうやって育休を取ったのでしょうか?
-川上会長
元も子もない話なのですが、僕が育休を取得したわけではなく、気づいたら会社のスケジューラーに育休がいつのまにか登録されていたんですよね(笑)
-駒崎
どういうことですか(笑)
-川上会長
僕は仕事が嫌いで先の予定をあまり見たくないから、当日の朝にならないと、その日の予定を確認しないんです。ただそれだと困ることも結構あるので、自分の仕事の予定を妻に共有してるんです。
そうすると、スーツが必要なイベントがある日には、朝にスーツの用意をしてくれたりして、すごく助かるんです。
-駒崎
それは助かりますね。僕も予定がありすぎてわからなくなることがあるのでわかります。
-川上会長
うちは計画出産だったのですが、気づいたらそのスケジューラーの出産予定日前後に「育休」が登録されていて、仕事の予定がブロックされて一切なかったんです(笑)
なので、僕が取得というか、妻が知らないうちに取得してくれていたんです(笑)
-駒崎
それはすごいですね!勝手に育休が取得されているとか最高だと思います。
でも、それを実際に実行に移せたのは川上会長の度量かなとも思うのですが、出産・子育てをする上で事前に何か準備などはしていたのですか?
育休は妻と平穏な家庭生活を送るために必要なこと
-川上会長
育休という形は結果論ですが、出産をし、子育てをするという中で、妻と平穏な家庭生活をちゃんと送りたかったので、出産や育児に対して協力することはそもそも必要だと思っていたんですよね。
うちは共働きで妻もバリバリ働いているのですが、どちらかと言えば僕のほうが時間の自由がきくので、事前にいろいろ調べて「ここまではやろう」など決めていました。
-駒崎
育休を実際に取ってみていかがでしたか?
-川上会長
すごいよかったですね。
色んな人に事前にアドバイスを受けたんですが、「出産の時に、あなたはいなかった」というような文句は一生言われ続けるそうなんですよ。
一生残るような弱みは作らないように、具体的な記録として残せる「事実」を積み重ねることを心がけました。
「最初にお風呂に入れたは僕だ」とか「最初にオムツを替えたのは僕だ」とか(笑)
-駒崎
とても具体的で合理的でいいですね(笑)
実際にそういうことをやってみてパ-トナ-からの評価はいかがでしたか?他に何か「事実」として決めていることはありますか?
-川上会長
おかげさまで妻からは高い評価を頂いております(笑)
保育園への送りは二人で一緒に行くことが多いのですが、ぼくが車の運転をします。また月曜日だけはスタジオジブリの社員用保育園に娘を通わせているのですが、その日は送り迎えをして、一日中、子どもの面倒をみる日と決めています。
これもまた「事実」です。こういう「事実」の積み重ねが、何か問題が発生した時のセーフティネットとして非常に強い効果を発揮します(笑)
-駒崎
お迎えも川上会長がやられているのですか?
-川上会長
僕も妻も仕事をしているので、とても日中に迎えには行けないですよ。
月曜以外のお迎えは妻の実家に助けてもらっているんです。
-駒崎
実家のサポ-トがあると本当に助かりますよね。
-川上会長
そうなんですよ!本当に助かります。
出産・子育てを経験してみてわかったことなんですが、実家のサポ-トがあるかどうかはすごく重要ですよね。特に妻の実家のサポ-トがあるかどうかが重要だと思いました。
これは結婚して出産しないと本当にそうだというのは分からないですね。現実的にフルタイムで働きながら子育てするのは、保育園に預けられたとしても日本では不可能です。結婚するときに実家で親と同居することを敬遠する人は多いと思うのですが、じゃあ、実家とはできるだけ遠くに離れていればいいかというと、そんなことはなくて、できるだけ近くにいてもらわないと子どもを預けられないので本当に困るんですよね。
子育てをして人生観が変わった。世の母親を責めるなんてもうできない
-駒崎
育休を取得してその後、実際に子育てをしていくなかで、何か感じたことはありますか?
-川上会長
子育ての困難さに直面して、僕の中で人生観が一つ変わったんですよね。
こんなに大変だったのかと。今の日本社会が少子化になるのは当たり前だと思いました。
以前は、例えば「子殺し」などの事件がニュ-スに取り上げられた時には、「なんて酷い母親がいるんだろう」と、深く考えずに責任感のない母親だと、怒りがこみ上げていました。
でも、間違いでした。子育てをしている今では、そういうニュ-スを見ても、母親が悪いなど一切思わなくなりましたよね。殺したくて殺してる親なんて絶対にいるわけないんですよ。
母親の責任にするのは絶対に間違っていて、それは子育てをしている中でいろいろな辛いことが重なって起きてしまった悲劇なんですよ。むしろ、そういう状況を作り出してしまった社会や仕組みを考え直さないといけない。
-駒崎
まさにそうだと思います。
【4月19日はみんなの保育の日!】
※4月19日が4(フォ-)19(いく)であることから、同日を「みんなの保育の日」(※日本記念日協会に正式認定取得済)とし、イベントの開催日としました。
4/19当日は、六本木ニコファーレにてイベント開催予定◎
(入場無料/授乳&オムツ替えスペースもご用意しています)
詳細はこちら
http://419.jp/
イベントページはこちら
https://www.facebook.com/events/1258538517564312/
※イベント当日は、下記サイトにてニコニコ生放送も実施します
http://live.nicovideo.jp/watch/lv293012379
ニコファーレ:壁面を取り囲んだLEDの大迫力の演出と、ニコニコ生放送を中心にネットライブ配信が可能な設備を完備した、各種発表会やア-ティストライブなどの様々なイベントを開催している「ネットとリアルの融合」をテ-マとした次世代ライブハウス
編集部より:この記事は認定NPO法人フローレンス運営のオウンドメディア「スゴいい保育」より、2017年4月11日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「スゴいい保育」をご覧ください。