「小さな巨人」は第二の半沢になるか

城 繁幸

TBS番組公式サイトより(編集部)

録画しておいたTBS日曜21時~のドラマ「小さな巨人」が非常に面白かったので紹介。

警視庁のエリート刑事だった香坂(長谷川博己)はちょっとしたミス(というより上司にハメられて)所轄の芝警察署に左遷。これまで馬鹿にしていた地回りの所轄の一課長として、泥臭い現場を足で回る立場になる。顎で使っていた連中に混じって、自分が顎で使われる側になったわけだ。

というのが第一回。

練りこまれた脚本と実力派で固めたキャストで、組織と個人の葛藤、因縁の上司との対決が描かれる。書いててそのまんま半沢直樹である。プロデューサーも同じ福澤さんだし。

というか、香川照之がまったく同じ役どころで出ている(笑)

普通、よほどの自信がないとこういう被りはしないでしょ。アレと比較されるわけだから。というわけで間違いなく今期一番の注目作品だろう。

で、もう一つ気づいた点。

筆者はいろいろドラマやら映画やら見ていて、なぜか岡田将生を3本に1回くらいは目にする機会があって、なんだか知らないけど売れてるあんちゃんだなあくらいの感想しかなかったのだが、本ドラマを見てなんとなく理由がわかった。

重厚な脚本と実力派キャストで固めればある程度のクオリティは維持できるだろうが、若年層が見ないとスポンサー枠が埋まらない。といってアイドルばっかりで固めると数字が爆死するはめになる。若手イケメン枠かつベテラン勢に混じっても存在感の出せる岡田将生は、作り手からすればとても使い勝手の良い役者さんなのだろう。


編集部より:この記事は城繁幸氏のブログ「Joe’s Labo」2017年4月23日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はJoe’s Laboをご覧ください。