小池バッシングに走っておられる方々にすれば、この段階で自民党に進退伺いを出した若狭さんを糞味噌にこき下ろしたいところだろうが、若狭さんが離党届ではなく進退伺いに留めた、というのは結構周到に考え抜かれた良策かも知れない。
若狭さんが小池さんのためなら火の中であろうと水の中であろうと飛び込む覚悟を決めた人だということは関係者ならみんな知っていることだったが、今回の都議選で若狭さんが都民ファーストの候補者のためにどこまで動くのか、どこまで動けるのかは、注目の的だった。
小池さんが若狭さんに都民ファーストの候補者の応援を具体的に頼まれたのかどうか分からないが、若狭さんが都民ファーストの候補者を応援するために都内全域を駆け巡ることを決断されたのだったら、小池さんも都民ファーストの候補者の方々も心強いはずである。
万一若狭さんが小池さんの陣営に入らないことにしたら、小池さんの勢いも都民ファーストの勢いも相当殺がれたはずである。
若狭さん一人が都民ファーストの応援団に入ったからといって急に都民ファーストの勢いが強くなることはないだろうが、若狭さんが小池陣営から抜けてしまえば小池さんのダメージは計り知れなかったはずである。まずは、小池さんにとって良かったと思う。
まあ、若狭さんにとっては針の筵だろうが、これで若狭さんは心置きなく都民ファーストの候補者の応援に走り回ることが出来る。
多分、自民党は今回のことでは大騒ぎしないはずである。
若狭さんが小池さんのために動くであろうことなど、自民党の執行部なり選対としては想定内だったはずだ。下手に騒ぎを大きくすると小池さん側を利するだけだ、ぐらいの計算はしていると思う。
都議選の結果を見てから処分を考えればいい、というのが、多分、大人の対応である。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年5月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。