中央卸市場は機能強化で豊洲へ。築地再開発は議会で徹底検証を

こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

ついに昨日(6月20日)、小池百合子知事より市場移転問題についての方向性が示されました。

【全文】小池都知事「築地は守る、豊洲を活かす」市場移転問題について基本方針を表明(ログミー)
http://logmi.jp/213748

一部に「仮移転」「5年後に築地に戻る」「豊洲は物流拠点になる」などの誤った解釈・報道も見られましたが、もっとも重要なことは方向性として、中央卸市場の豊洲移転は明確に示されたという点です。

豊洲は将来的に物流機能も強化した中央卸売市場+物流センターとして、効率経営に徹するということで、赤字の負担を軽減しつつ、存続も可能としていくという考え方でございます。(中略)

いえ、豊洲市場は新たな中央卸売市場としての機能、これを優先させます。そのうえで先ほど申し上げましたように、さまざまな物流の変化が来ております。

そういうなかにおいて、物流の機能をさらに強めていくということであって、豊洲に一旦移って、そのあと売却とか、そういう話ではございません。むしろ機能を強化するということを進めていきたいと思っております。

(上記ログミー文字起こしより抜粋、強調筆者)

実現が非常に困難である築地再整備という案に突き進み、豊洲市場を解体・売却するという私が考える限りもっともハードな道が回避され、豊洲市場をしっかりと「中央卸市場として」活用していくという方針が確定したことを、まずは率直に歓迎したいと思います。

同時に発表された「築地ブランドを守る」という点についても、まったく異論はありません。

しかしながら「守り方」には様々な方法がありますし、やり方次第では市場機能の分散問題や何より財源の担保など、多くの課題が待ち受けています。

記者3 東京新聞のサカキバラです。豊洲市場の整備でできた借金はどうやって返すんですか。追加でかかる税金はいくらぐらいになりましょうか。小池 これにつきましては、例えば償還の問題が出てきますけれども、これについては今、精査をさせているところでございます。また、それによってですね、市場会計を痛まぬことのないように、また税金を新たに投入することのないような、そのような方策について今検討させたところでございます。

記者3 税金は投入されないんですか?

小池 さまざまな方法を考えて、ベストなワイズ・スペンディングでいきたいと思っております。

(同上)

築地の土地を売却をしないとすれば、当然のことながら、豊洲市場の建設費の償還が始まった際に財源の問題が生じます。また、築地の再開発に関しても土壌汚染対策や新築費用、移転費用なども発生するでしょう。

「いったい、いくらかかることになるのか!」
「むしろ、最大のムダ使いになるのではないか?」

という指摘や批判がすでに寄せられている点については、真摯に受け止めなければなりません。将来世代へのツケを残さないことが、市場のあり方を見直した目的だったのですから。

将来世代への負担を避けながら「築地ブランドを守る」、これをどうすれば実現できるのか。どのように達成していくのか。検証して決定していくのは、われわれ東京都議会です。議員たちひとりひとりです。

もちろん最終的に決定する権限を持つのは都議会ということになりますが、築地を再開発して新たな東京の一大拠点を作るという希望。これがあれば私はかならずやっていけるもの、実現できるものと、このように考えているところでございます。(同上)

現在の構想では築地跡地は当面、環状二号線の開通と五輪の輸送拠点として活用され、再開発されるのは5年後ですから、実際には10年計画になる可能性もあります。

これから財源などの問題をどのようにクリアしていくのか。これを議会人としてしっかりと自らの頭で考え、自分自身の意見を持ち、それを知事や担当局に伝えて行かなければなりません。

私自身はまず何より、豊洲地区の風評被害を払拭するための対応に全力を挙げ、そして築地ブランドの守り方・再開発の方法論を、誰よりも厳格に調査・検証していくことをお誓いして、都議選に臨んでいきたいと存じます。

私は私のこれから出来うる、最大の努力をしたい。

それでは、また明日。

おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 33歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、日本初のブロガー議員として活動中。

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編集部より:この記事は東京都議会議員、おときた駿氏のブログ2017年6月20日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。