都議選の雑感。
さんざん報じられているとおり、自民党が57から23議席に激減するという歴史的大敗をきっした。民進党も7から5議席に減少、勝ったのは6から49議席に伸ばした小池知事の都民ファーストだ。
各党ともほとんどまったく政策論をやらず、ぜんぜん関係無い国政の話(それも森友とか加計とかしょうもないネタ)で盛り上がるという、都民としては非常に不本意な選挙であったが、結果からは3点ほど発見があったように思うのでまとめておこう。
1.自民支持層はフットワークが軽い
小池新党が改革志向かというと現段階ではぜんぜんわからないのだが、それでもあのメンツで「都政刷新!」って大声で叫ぶだけでこれだけの支持を自民党からひっぱがせるというのは意外だった。
これは恐らく、政権支持者の中で憲法改正あたりのコアな政策を支持しているのは予想以上に少数で、大半は「消去法で自民党」という消極的支持者なのではないか。都市部無党派層の受け皿というニーズは今も昔も健在だということだ。
2.野党共闘路線に未来はない
ならば、やはり憲法という土俵で勝負している野党共闘路線に未来はない。それは2009年の54から今回の5にまで議席を減らした民進党を見ても明らかだろう。ただ、共産党については最初から民進党を骨抜きにして支持層を奪うことが狙いだろうから、彼らについては予想通りの展開だろう。実際2議席増えてるし。
3.民進党は既に死んでた
それにしても、可哀想なのは民進党である。森本とか加計学園とか、一生懸命国会で持ち時間使って盛り上げるだけ盛り上げて、票はぜんぶ小池さんとこに持っていかれるわけだから。
「そうかそうか、そんなに安倍政権は信用ならんのか。でもお前らはもっと信用ならんわい」といって口封じされるチンピラみたいな存在感だ。
たぶん、民進党のセンセイがたは今頃すごい徒労感に見舞われているに違いない。さっそく藤末センセイが離党されるそうなので、今度は国政で離党ドミノが見られるかもしれない。
編集部より:この記事は城繁幸氏のブログ「Joe’s Labo」2017年7月3日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はJoe’s Laboをご覧ください。