安倍内閣の支持率は、もう一段下がりそうだ

安倍内閣の支持率推移(NHK選挙WEBより:編集部)

どうしてもやらざるを得ないというのなら、ご勝手に、と言わざるを得ないのだが、まあ、止めておいた方がいいでしょうね、と思うのが塩崎厚生労働大臣の更迭と甘利さんの重用である。

一言居士のように見えるだろうが、塩崎さんは自民党の良心みたいな人だから、飲食店全面禁煙派の塩崎さんを厚生労働大臣のポストから外してしまうと、安倍さんは結局自民党内の族議員や既得権擁護派、守旧派の軍門に下ってしまったのか、と世論から反発を喰らうことになる可能性が高い。

自民党内の全面禁煙派を閣内から放逐してしまったような印象になると、間違いなく8月3日の内閣改造はマイナスだった、ということになる。

甘利さんの能力は買うが、この段階で安倍さんが甘利さんを重用しているような印象を残すことも安倍内閣にはマイナスに働くはずである。甘利さんの秘書の問題について大方の国民は忘れているはずだ、などと思わないことだ。

そろそろ喪が明けたはずだ、などと思って甘利さんを要職に就けると、必ず火が点く。
選挙が近い、ということをくれぐれも忘れないことである。

何もやっても好転しない、やってもやらなくても同じ、というのなら、この際、やりたいことは全部やっておく、というのも一つの考え方だが、普通の人はそういう開き直り方はしない。
ご用心、ご用心。

安倍内閣の支持率が30パーセント台に急落してどの世論調査でも不支持率が支持率を上回っている、というのはまさに私自身肌で感じているとおりなので、特に何の不思議もないが、どうももう一段支持率が下がりそうである。

何しろ、この先安倍内閣に対する国民の期待感や信頼感の高めるような方策が見当たらない。
じわじわとウンザリ感や失望感みたいなものが拡がるぞ、と覚悟しておかれた方がよさそうである。
堅守、堅塁を誇っていた鉄壁の官邸も、もはや安倍内閣の支持率の低下を防ぐことは出来ない。

森内閣ほどではないだろうが、これから先1年くらいは、苦しいことばかり続くのだろう。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年7月10日の関連の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。