トランプ大統領のやり方で、北朝鮮との戦争は避けられるか?

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僕は今、たいへんな危機感を持っている。北朝鮮のことだ。

8月29日、北朝鮮が発射した中距離弾道ミサイルが北海道の上空を通過。襟裳岬の東およそ千キロの太平洋上に落下したのだ。さらに9月3日には、核実験をも断行している。

これに対してアメリカは、石油禁輸などの、より強い制裁を、国連に決議させようとしている。最終手段ともいえる強硬な態度だ。だが、これに対して、ロシアは「絶対ノー」の態度を示した。中国の賛否も不確かだ。そして、当然ながらロシア、中国といった常任理事国が賛成しなければ、決議は通らない。

では、いったいトランプ大統領、すなわちアメリカは、どう出るのか。

もしかすると、アメリカは武力行使という選択肢をとるかもしれない。そのときアメリカが、日本に集団的自衛権行使を求めてきたら、安倍首相は、どう対応するのか。

へたをすると、日本も巻き込まれる大戦争が起きる危険性がある、と僕は危惧している。今の状況を見るかぎり、その可能性を否定することは、とても残念なことに、けっしてできないのだ。

僕は今、ずっと考え続けている。この惨事が現実にならないようにするには、どんな方法があるのだろうか、と。僕は、戦争はもう二度といやなのだ。戦争を避けるために、ぎりぎりまで対話をし、交渉をし、あらゆる手段を講じるべきだ。8月30日、トランプ大統領は、ツイッターで北朝鮮に対して、「対話は解決策ではない」と言い放った。

北朝鮮との対話を拒んで、アメリカはいったいどうしようというのか。ほんとうに、このまま戦争になってしまうのか。いや、戦争は絶対に避けなければならない。では、どうしたらいいのか。

トランプ大統領の思惑がつかめなくて、どの国の首脳も困惑しているようだ。しかし、時間がかかればかかるほど、最悪のケースである武力行使がリアリティーを帯びてくる。


編集部より:このブログは「田原総一朗 公式ブログ」2017年9月14日の記事を転載させていただきました。転載を快諾いただいた田原氏、田原事務所に心より感謝いたします。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、「田原総一朗 公式ブログ」をご覧ください。