メディアのトンデモ健康法に殺されないための心構え

こんにちは!肥後庵の黒坂です。

世の中にはたくさんの情報発信者がいて、多くの情報で溢れかえっています。お金の話、仕事の話、勉強法、健康の話、ダイエットの話と様々な話題があるわけですが、「もっともらしいことを言っているけど、これ大間違いじゃないか!」と思うことは少なくありません。

例えば英語学習なんてその最たるものじゃないですか。「聞き流しでOK!」「1ヶ月で身につける魔法の技」「留学へいけば英語のシャワーを浴びて勝手にペラペラ」など本当によく聞きますが、ハッキリいって全部おかしいと思いますね。

「英語学習は耳から行うもの」が常識的のようになっており、業者はオーディオ教材を売りまくっているわけですが、英語はリーディングを通じて力をつけるものと考えています。私の英語力の大部分はリーディングを通じて培った物ですし、外国人と英語でビジネスをしている友人たちも海外経験0で洋書を読む訓練で英語力の基盤を築き上げた人が何人もいます。彼らは英語上達について「留学は不要」「聞き流しで上達はありえない」「英語学習に魔法はない」と巷の学習法は違っていると口を揃えます。私も同じ意見です。

「流行りの高い英語教材を買ったのに英語力が身につかなかった」これは時間とお金をムダにしただけでまだマシな例です。でもこれが「健康」になると間違った情報を取り入れるダメージは計り知れません!健康にいいと思って長年の習慣にした結果、健康を害して病気になってしまうと誤った英語学習法とは比較にならない損失を被ります。でも健康の話ほどあちこちで意見が分かれているものはないじゃないですか!その時は「これこそが究極の健康食だ!」と言われていてもあとになってトンデモ論と言われる例はいくらでもあります。

「絶対」という人は絶対に信じるな!

私が大学生の時、哲学の講義を履修しました。先生がいかにも哲学者っぽい超然とした雰囲気を漂わせる人で、「この先生は何者なんだろう。何を考えているんだろう」とそのミステリアスさに魅了されたものです。そんな先生が言っていた言葉でいまだに時々思い出すことがあります。それは「世の中には「絶対」は絶対にありません。ただ一つ、人はいつか死ぬということを除いては」というわけですよ。あれからずいぶんと年月が過ぎ、色んな経験を重ねてきましたが本当にその通りだなと思いますね。

世の中には絶対は絶対にありません。あるのは結果のみ。結果が出る前はみんなあれやこれやと色んな意見や可能性を声高にいうのですが、結果が出て真実が決まればそれまでの意見という名のあらゆる可能性は一夜にして全て消えてなくなってしまいます。

特に健康法なんて複雑極まりなく、何がどう因果関係があるかまだまだ分からないことだらけです。それを「絶対に」といってしまう人は、自社の提供している物やサービスを売りたい人です。私もそうならないために、フルーツギフトの素晴らしさを説く一方で、明らかなデメリットがあれば隠すことなくしっかりとお伝えしています。

いい面だけを話す情報発信者にはくれぐれも気をつけて下さい。その人はあなたを安心させようとしているのではありません。彼らは何かを売ろうとしている人です。

健康の常識はしょっちゅう覆ることを理解しておく

繰り返しですが、健康は人間が複雑系である以上、まだまだブラックボックスだらけです。

最近、私が驚いたのは「アルコールもタバコと同様、健康面でメリットなし」という主張が主流になったということです。ちょっと前まではお酒の効用について盛んに言われてきましたよね?血流が良くなるとか、赤ワインのポリフェノールが健康にいいとか。確かにプラスの面もあるでしょうが、結局のところアルコールはとりすぎると体に悪く、適量だと目立った害は表面化しない、ということのようです。

いやあ、赤ワインのポリフェノール効果を聞いて、せっせと赤ワインを飲んで来た私はどうすればいいんでしょうか?まあ今は健康のためではなく、完全に嗜好品としてワインを愛飲するので文句はありませんが…。「酒は百薬の長」という言葉は今後消えていく運命にありそうです。まあお酒はメンタル面ではプラスだと私は思っていますので、すべてがダメだとはもちろん考えていません。ただ、「健康になるためにお酒を飲む」という話は今後出てこなくなるんじゃないかということです。

このように健康の定説はしょっちゅう覆ります。一日2食が健康にいいのか?それとも3食なのか?玄米は体にいいのか?悪いのか?最近では糖質制限食が流行っていますが、これもいつか覆るんじゃないかと私は思っています。

もうトレンド健康法に振り回されて健康を害するのはやめにしませんか?

迷ったら歴史をみよう

じゃあどうすれば正しい情報を読み取り、溢れかえった真偽の疑わしい情報の中から正しいもの、自分にあったものを見つければいいのでしょうか?

私はその答えが「歴史」にあると思っています。人間の食生活は有史以来、ずーっと似たようなものだったんですよね。当然、その食べ物を消化して栄養とするあなたの体もその食生活に最適化されているわけです。

そんな食生活が激変したのは第二次世界大戦後といわれています。食の欧米化、なんていわれていますが、大戦後に日本人はいきなりトーストにバターを塗り、チーズや牛乳、肉やスパゲティを食べる生活へシフトしました。少なからずその影響を受けて、昔はなかった成人病や若年層の糖尿病が登場するようになりました。これは食の変化が関わっている可能性がかなり高いと思うんですよね(断言はしません)。それまでお米や納豆や豆腐や焼き魚を食べていたところに、牛乳とか肉やパンが入ってくるわけで体の変化が食の変化に追いついていないんじゃないかと思います。

健康の情報が溢れかえってよく分からずに立ち尽くしてしまった時、私は歴史の中で長く食べていた食事に戻ればいいと思っています!玄米を食べ、肉の代わりに豆や魚を食べる生活をする!これでマイナスの点はないでしょう。江戸時代に脚気が流行ってバタバタと倒れていったのはそれまで玄米食だったのに、白米食のスタイルが広がってしまったことでビタミンB1の欠乏が原因といわれています。あの時代も白米をやめて玄米に戻したことで収束したといわれています。

世の中にあふれかえる健康の情報に惑わされないよう、困ったら歴史を見て健康のトレンドに飛び乗ってしまうことのないよう、意識して生活をしましょう!

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。