小池新党に私は否定的ではない。野党のままなら悪くない。しかし、これを政権を狙う党とするには、課題が多い。
まず、首相候補は誰かである。小池氏がやりたいなら、都議会終了など待たずに、すぐに都知事を辞めるべきだ。もちろん、多くの人を裏切ったことによる信頼喪失のコストは払うべきだが、首相になるためなら辞めてはダメな職務などない。逆に片手間仕事での都政の停滞が問題。後継候補もただちに指名すべきだ。
逆に辞めないなら、退路を残すことなく否定し、首相候補を明確にすべきだ。首相公選を提唱しながら、首相候補を明示して総選挙を戦うというこれまでどの党もやってきたことすらしないなら無責任だ。
政策的には、外交的なポジションを明らかにすべきだ。とくに、北朝鮮に対して間違ったメッセージにならなことが大事。小池氏はこれまで韓国や北朝鮮に対して安倍首相以上に強硬姿勢だったが、それを継続することを改めて宣言すべき。
また、親台湾だったし中国にも毅然としていたが、それも貫く気なのか?とくに、小沢一郎氏が“黒幕”になる可能性を、その外交的な影響を排除できるのか?
たとえ、総選挙で勝っても、参議院でまったく少数である状況は変わらない。ならば、少なくとも二年間は続くねじれ状態での政権運営はどうするかビジョンを示すべきだ。
昨日から言っている話しだが、民進党や自由党の議員について入れるかどうかは個別判断するのは当然すべきだが、問題はどんな形を踏むかでなく、結果として、①排除すべき人が排除されているかどうか、②結果として候補者や新議員のうち旧民進党・自由党関係者が3分の1を切る程度であるかどうかだ。
昨日来、そのことを強調しているが、小池氏は御神輿で担がれただけで、実質は、民進党と自由党が合併して、新党首に小池氏を迎えただけでは話にならない。かつての細川政権は細川氏が首相でも、小沢一郎が陰の権力者であることで、小沢氏が我を通そうとした途端に瓦解した。
議員の構成として、アンチ小池クーデターが起きないようなことでないと、小池氏を選んだのでなく小沢氏を選んだだけになる。マクロン新党が社会党と違うのと同じ程度に、民進党・自由党連合と違うようにしないなら、単なる、民主党政権の復帰だ。小沢氏を新党から排除するなら、かなり期待して良いができないだろうし。共産党に対しては、共産党と組むくらいなら現与党と協力したいというべきだ。候補者調整くらいは、ありかもしれないが(イタリアのオリーブの木のときは共産党が過去と決別したのであって今回とはまったく違う。なにも似てない)。
それから、マニフェスト的なものは、準備不足などといわずに具体的であるべきだ。小池氏が決めて、いやなら付いてくるなと言えば良い。そうでないなら、現与党の安定を阻害しない程度に留まって欲しいということになる。
あるいは、現与党に対して大連立を申し入れるというのを公約にするのも、ひとつの提案としてはありうるが。