こんにちは!肥後庵の黒坂です。
これまで農業は「6Kの職業」と呼ばれており、次のようにコテンパンに言われてきました。
農業の6K=きつい、危険、きたない & 臭い、かっこ悪い、結婚できない
これを見ると「やっぱり農業は最悪だな。これから日本は人口減少していくし、もう野菜や果物は海外からの輸入に頼る方がいいのでは?」とあなたも感じてしまったかもしれませんね。でもそんなことはありません!今回の記事を最後まで読んで頂ければ、あなたの持っている農業へのネガティブなイメージは、台風の日の雨傘のように遥か彼方へ吹き飛ばされることでしょう!農業ビジネスは可能性と稼ぐチャンスに溢れています。
「農業=稼げない」という誤解
「農業=稼げない」と思っている人はとても多いと思います。農業経営統計調査によると、農業の粗利はざっくり50%くらいです。この粗利が大きいか低いかはさておき、原価のほとんどかからないコンサルティングや金融、ITなどと比べると、「たくさん働いて売っても手元に残るのは少ない利益」というイメージがあるでしょう。実際、農家の家庭でいつも家計は火の車…という話はよく聞きます。
ですが、企業経営的に取り組むことで、実は農業はものすごくチャンスに溢れたビジネスと考えています!下記の記事を見てください。これはアゴラに掲載された脱サラ農業で成功した実例です。
ブルーベリーファームおかざき」という観光農園を立ち上げてから10年経った今、私の年収は下がるどころか2千万円にまでアップしています。それだけでなく、昼も夜も働きづめだった管理職時代からはとても考えられないことに、農園をオープンするのは1年のうちたった60日あまり、それ以外のシーズンはほぼ週休5日という悠々自適な暮らしを実現しているのです。
どうですか?年収2,000万円、週休5日制でどんなホワイト企業もこれ以上真っ白になれないくらいのホワイトっぷりです!農業経営側に立つことで文字通り「悠々自適な生活」を確立する夢の生活が見えてきます。
元大企業サラリーマンからの脱サラ農業
私も会社やポジションは異なりますが東京の外資系を辞め、高級フルーツギフトビジネスに飛び込んだのでこの挑戦にはとても共感できる部分があります。
経営者側に立つ農業ビジネス
ブルーベリーファームおかざきの正社員は畔柳さん一人、後は10名ほどのパートだけでやりくりされているとのことです。「正社員一名ってすき家のワンオペかよ!?忙しくてヤバイんじゃないの!?」と思われたでしょう?でもこれで週休5日で年収2,000万円です。これは尋常ではありませんよね?農業以外のビジネスで、これだけの労働日数でこれだけの収入を稼ぎ出せる可能性を秘めたビジネスはそう多くないと思いませんか?アフィリエイトなどのネットビジネスをやれば不可能ではないでしょう。
しかし、アフィリエイトのように「資本やリスクゼロで始められるビジネス」には多くのライバルがひしめき合っており、またトップの人たちが荒稼ぎをして後はほとんどの人が勝てない「一強皆弱」の世界です。もちろん、私は軽々しく「農業ビジネスで成功するのは誰でもできます!」 などいい加減なことはいえません。畔柳さんがうまくいったのはデンソー勤務時代の経験を活かして、栽培の無人化やIT集客などの「効率経営」を徹底したからこそ、このような夢のライフスタイルが実現出来ているわけです。
農業ビジネスで成功、これは限られたビジネスの天才以外でも実現可能な世界です。畔柳さんは元々普通のサラリーマンで農業の経験はありません。必要なスキルやノウハウ、知識は起業して一つずつ身につけていった結果のもので、これは頑張れば他の人でも再現できるものです。
農業は素人がガチれば勝てる世界
私は肥後庵で起業する時に、経営コンサルタントに次の言葉を言われた経験があります。「金融やIT、製造業となると熾烈な競争になり、高学歴で優秀な人とずっと戦い続けることになる。だが、林業・漁業・農業などの第一次産業はそれほど強力なライバルがいないので、本気を出せば十分勝てる」というものです。私は肥後庵を運営してそれを感じています。私がやっている産地直送のネットショップはライバルがひしめき合っています。試しに楽天市場で「マスクメロン」と検索してみてください。数百店舗のライバル店が出てくるスーパーレッドオーシャンです。完全に後発スタートの私でも、ありがたいことにたくさんのお客様にご利用頂いています。
そう、ド素人の私も「“農業”だからなんとかなった」と思っています。でもこれが「アプリ開発」「ものづくり」「人工知能」といった世界で勝負していたら同じ結果を得られたとは思えません。常に先端の情報を得て、誰よりも早くイノベーティブな提供を続けていく…残りの人生でずーっと勝ち続けていくのはかなり大変そうです。少なくとも私はあんまりやりたくありません(笑)。
農業はこれから「6K→新3K」へと変わっていきます。最先端のテクノロジーをビジネスにするより、素人が後発スタートでも十分勝てる農業にこそ夢が広がっていると思います!今回のブルーベリーファーム起業の話は、そんな農業の可能性を見せてくれた素晴らしい話でした。